タカ派的発言があれば嫌気
本日東京株式市場は日経平均が続落、TOPIXは反落ました。明朝3時に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が発表されます。今回のFOMCは現状維持予想が大半ですが、このところの原油高もあり、年内にダメ押しの利上げがあるのかどうかを声明やパウエル議長会見の言葉尻で探ることになるため、市場全体は様子見となっています。ただ、ここまで異例な速度で利上げを行った事により、これ以上調子に乗ると副作用を伴うと感じるところであり、タカ派的な発言があれば市場は嫌気することでしょう。
円買い介入してもよいという承認?
ところで、原油価格が90ドル台に乗せ、インフレ懸念の高まりから米2年債利回りは5.1%台に上昇しています。ドル円はジリジリとドル高となってきましたが、今のところ過度な変動はありません。イエレン米財務長官が「私たちは為替介入について、いつも日本と意思疎通している。一般的に、行き過ぎたボラティリティー(変動)をなだらかにする必要性は理解しているが、為替レートの水準に影響を与えようとしていない。為替介入をするかは、日本との議論の詳細によって依存する」と発言しました。今は市場介入はないでしょうが、イエレン発言からすると、当局は米国側から「極端に動けば円買い介入してもよい」という承認を得られている可能性も考えられそうです。
150円前後は介入したい水準
昨年は以下の3回の為替介入が行われました。
9月22日→145円台(2.8兆円)
10月21日→151円台(5.6兆円)
10月24日→149円台(0.9兆円)
今日は147円80銭台で、昨年9月22日の介入と10月21日の介入の中間点くらいです。150円の大台ではオプションなど様々な取引もあり、節目を超えると、相場の変動に弾みがつく可能性があるため、当局とすれば150円前後では為替介入を行ないたい水準でしょう。
介入が行われると株式市場へ影響避けられず
仮に市場介入が行われた場合、株式市場への影響も避けられません。昨年9月22日の場合、株式市場の取引終了後の夕方に為替介入が行われ、145円台から140円台へと5円程度円高となり、週明け26日の日経平均は722円安(2.6%安)となりました。10月21日の場合は151円後半から146円前半へやはり5円程度円高となりましたが、日経平均の反応は鈍く、116円安で踏みとどまりました。10月24日の場合は149円高半ばから瞬間145円台半ばまで円高が進行するも、その後押し目買いが入り149円フラット付近まで戻しました。日経平均はザラ場418円高から上げ幅を縮小して84円高で取引を終えました。
一時的な急落は買い
このように見ていくと、為替介入の影響は避けられませんが、一時的な急落は買いと言えそうです。
日々勇太朗
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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