期待と現実【転ばぬ先のテクニカル】

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NYダウは2万7000ドル台回復

 期待、期待で上がる米国市場に対し、現実を受け止めていそうな東京市場。5日の米国市場はNYダウが373ドル高の2万7201ドルと6月9日以来の2万7000ドル台回復。ナスダックもアマゾンの上昇により6日続伸して11000ポイント乗せとなりました。

米用統計予想を遥かに下回る

 注目されたADP民間雇用統計は6月分の速報値236.9万人増が431.4万人増に改定されましたが、7月分速報値は市場予想の120万人増を遥かに下回る16.7万人増でした。内訳をみると、サービス部門の雇用が16万6000人増に対し財生産部門は1000人増にとどまりました。7月には南部でコロナ感染が再急拡大したことを考えると、新規雇用が急減したのは当然でしょう。

日本なら売り物一色

 日本の雇用統計がこのような数字ならば東京株式市場は売り物一色になることでしょう。しかし、米国市場はこの統計を無視して、むしろ7月のISM非製造業景況感指数が悪化するとの市場予想に反し、前月比1.0ポイント上昇の58.1と16カ月ぶりの高水準をつけたことに目を向けました。
 また、米与野党間で協議されている追加の経済対策について早期合意期待も支援材料。決算発表でも通期最終損益が5000億円の赤字見通しを発表したウォルト・ディズニーが一株利益は市場予想を上回ったことの方を評価して株価は9%高と急伸し、ダウ平均を押し上げました。

レーザーテック株が急落

 東京市場を眺めてみると、5日の引け後に6月期本決算を発表した半導体検査装置メーカーのレーザーテック株が急落。7月10日に1万750円高値から今週月曜日には9040円まで調整していましたが、決算発表を受けた昨日は一時8620円(前日比8・3%下落)まで売られました。
 前期2020年6月期の売上高は48%増の425.72億円、営業利益は89.7%増の150.62億円、経常利益が92.9%増の151.15億円、純利益が82.4%増の108.23億円で、今期2021年6月期の通期予想は売上高が33.9%増の570億円、営業利益が12.9%増の170億円、経常利益が12.5%増の170億円、純利益が15.5%増の125億円を計画しているにも関わらずです。

出尽くしならず反応は下

 7月高値以降の下落では、同業のオランダASMLの4~6月期のEUV技術を使う露光装置が前四半期11台から3台と大幅に下回ったことや、インテルが7月に7ナノ品の歩留まり悪化により、次期先端半導体開発が半年遅れとなることを公表したことによる下落でした。
 確かに前期に比べると伸びは鈍化していますが、それでも二桁の増収増益計画が出てきました。しかしながら株価が高値から2割も調整していたにも関わらず、出尽くしとはならず、株価の反応は下でした。マーケットが先々の期待や現実以上に厳しい反応をする東京市場と言わざるを得ません。

ヘッジFのポジション調整に注意

 さて、本日より17日まで、久しぶりに大きな日柄変化日が到来します。ロイター通信によると、モルガン・スタンレーのプライムブローカレッジ部門の集計データではロングショート戦略を取るヘッジファンドの先月のロングポジション(買い持ち)はショートポジション(売り持ち)の約1・9倍と、過去10年余りで最大となっているということです。何かの切っ掛け次第では、ヘッジファンドのポジション調整が行われる可能性があることに注意せねばなりません。

25日線抜けなければ戻り売り

 日経平均は先週までの6連敗後はリバウンド基調を強めましたが、結局は25日移動平均線近辺までで上値が抑えられており、ここを明確に終値ベースで抜け出さない限りは戻り売り対処ということになりましょう。

日々勇太朗

相場見通し

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