新型コロナワクチン緊急使用許可申請へ
なんというドラマチックな展開でしょうか。米製薬メーカーのファイザーがドイツのビオンテックと開発している新型コロナウイルスワクチン候補が数万人が参加した治験で90%を超える確率で感染を防いだと伝わり、両社は今後の研究で安全性も確認されれば、規制当局に緊急使用許可(EUA)を申請するということです。
ファイザーは規制当局の承認が得られれば、年内に世界で最大5000万回分(2500万人分に相当)、21年末までには最大13億回分のワクチンを製造する計画で、日本政府は同社から1億2000万回分のワクチンの供給を受けることで基本合意しているので喜ばしいことですね。
米株持続的上昇期待できずの声
ただ、マーケットでは、ワクチンは特効薬ではないことから株式は過大評価されている可能性があり、米国株式の持続的な上昇は期待できないとの声が聞かれています。また、新型コロナウイルスの感染流行が終息に向かった場合、米連邦準備制度理事会(FRB)による追加緩和や大規模な経済支援策への期待は後退することも、米国株式を圧迫する要因となり得るとの声も聞かれます。
いきなりNYダウが最高値更新
昨日の当欄でNYダウは2018年10月高値以降、高値切り上げ、安値切り下げの拡大トライアングルを形成している可能性があることから史上最高値を更新する可能性があることをお伝えしました。なんとその日の夜にいきなりNYダウが取引時間中の最高値を更新するとは!!NYダウは一時1610ドル高の2万9933ドルまで上昇しました。
NYダウ天井打ちの可能性
しかしその後は利食い売りが大量に持ち込まれて、大引けは834ドル高の2万9157ドルでクロージング。高値から775ドルの押し目を付け、日足ローソク足は長い上髭の陰線形成。陰線部分は寄り付きと大引けの差ですが、310ドルもの大陰線です。また、10月30日の2万6143ドル安値からの上昇で日足三空形成となったことで、天井打ちの可能性が出てきました。
ナスダックも天井打ちに準じた足型
一方、ナスダック市場は巣籠り関連株が今まで牽引してきましたが、効果的なワクチンの登場により売られる展開となり、181ポイント安の1万1713ポイントで引けました。大陰線形成により前日、前々日の上放れの陽線を陰線で包みました。まだ短期の移動平均線の上で推移しておりトレンドが崩れた訳ではありませんが、高値圏での陰線包み足は天井打ちに準じた足型です。
東京市場は劇的に物色の矛先転換
昨日の東京市場でもテーマパークや電鉄、空運株などが急激に上昇する一方で、巣籠り関連銘柄が急落しており、明らかに劇的に物色の矛先が転換しました。
日経平均は三空形成で過熱
日経平均は6日続伸で一時2万5279円高値まで上昇しましたが、こちらも日足は三空形成となっており、また25日移動平均線との上方乖離率が一時6%を超える過熱ぶりを示しました。昨日の当欄で「6月15日の2万1529円から10月9日の2万3725円までの2196円幅を10月30日安値の2万2948円に加えた2万5144円近辺がまずは止まり目と思われます」としましたが、そこを135円オーバーシュートしたところでUターンとなりました。
NY離れとなるか見極め
今後は出遅れ景気敏感株が主役の座につく可能性が高まってきましたが、NYダウやナスダックに危険信号が灯っており、ここで急ぎ飛び乗るのではなく、しばし様子を見ながら、日経平均がNY離れとなり押し目買いとなるのか見極める必要があります。何故ならNYダウが拡大波動のD波が完了したならば、次は3月安値を下回るE波へ転換となることが予測されるからです。
TOPIXは三空も陽線形成
また、日経平均は年初来高値を更新してきておりますが、TOPIXはまだ年初来高値の1744ポイント手前です。しかもこちらも上髭を伴う三空形成なので慌てる必要はないと考えております。ただ、日経平均は陰線形成でしたが、TOPIXは陽線形成だったことは評価できるところです。
マザーズは手出し無用
また、巣籠りで買われてきたマザーズは手出し無用ですね。10月14日以降の下落では75日移動平均線が下値サポート機能しましたが、11月2日からのリバウンドでは上値が25日移動平均線や一目均衡表・基準線に抑え込まれました。昨日の急落で再び75日移動平均線に接近してきており、一目均衡表でも転換線を割り込み雲の中に突入してきました。戻り売り、ヘッジ売りでの対処が必要となりましょう。
日々勇太朗
相場見通し
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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