起こりえないと思われていた事態
ロシアによるウクライナ侵攻という高度な文明社会における世界秩序の下では起こりえないと思われていた事態が発生した。
過去の地政学的リスクとは異質
株式市場では2/24に侵攻が始まってから反発場面も見られたが、「噂で売って事実で買う」というほど簡単ではなさそうだ。コロナに続く有事の発生で世界経済の行方は混とんとしており、金融市場は方向感をなくしている。今回は国際社会が全く容認しない中で軍事大国が他国に攻め入ったという点で、1990年の湾岸戦争以降に勃発した過去の地政学的リスクとは異質である。
戻り相場の際の上昇の持続性には要注意
原油価格が日を追うごとに急騰するなど、金融、商品、為替など多くのグローバル市場で事態の推移や影響を予測し消化することが困難になっているようだ。
週末には戦火の拡大が報じられ再度急落模様となった。もし今後停戦に向けた兆しがあれば急反発局面があろうが、ヨーロッパ全体を含む地域の不安定さが払拭されるには相当時間を要するだろう。コロナ感染による供給制約を抱える中で発生したロシアに対する経済制裁の影響は甚大だ。天然ガスを初めとする資源関連や食料品の供給不足によって各国のインフレ圧力は高止まりする可能性が高い。インフレ高進による景気失速の予測すらあり、戻り相場の際の上昇の持続性には要注意だろう。
中長期のポートフォリオの核となる銘柄を仕込む
一方、長期投資の観点からは銘柄によって投資妙味がある水準まで売り込まれているものがあると見ている。特に、高ROEの優良銘柄の中で株価下落によりPERが20倍程度まで低下したグローバル企業が狙い目だろう。このリスクオフの局面で中長期のポートフォリオの核となる銘柄を仕込みたい。
個別には?
個別にはソニー(6758)シマノ(7309)東京エレクトロン(8035)など。
光世証券・取締役 西川雅博氏プロフィール
1960年奈良県生まれ 1983年早稲田大学政治経済学部卒、大和証券入社 1990年より光世証券 法人部、営業部長、現在コンサルティンググループ担当
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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