調整あるも年末向け再上昇|光世証券・取締役 西川雅博氏【相場展望】

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今回の反発ペースは速い

7月以降米国株は長期金利低下や金融引き締めペースの鈍化期待から想定以上の戻り歩調になった。
20%以上の下落率を記録した過去のベアマーケット時と較べても今回の反発ペースは速い。株式市場で楽観的な見通しが強まれば再びインフレ懸念や長期金利上昇を招くジレンマもある。

そろそろ注意を要する時間帯

6月ボトムから2カ月以上経過してテクニカル面でもそろそろ注意を要する時間帯だろう。中間選挙の年は選挙前10月中旬頃に安値をつけるアノマリーがあるのも気がかりだ。ただ、その場合でもFRBのコントロールが機能して年末に向けては再度上昇基調を回復する可能性は高いと考える。

歴史的逆風でのボックス圏

日経平均は年初来方向感に乏しく2万6000円~2万8000円のボックス相場に終始していたが、ここに来て上値のフシを突き抜ける動きとなった。ウクライナ侵攻、世界的なインフレ懸念、米国の金融引き締めなど歴史的な逆風にさらされながら形成されたボックス圏は今後むしろ強力な下値支えゾーンとして意識出来る。

過度に弱気になる必要はない

今年になり日本株が米国株をアウトパフォームしているのは、昨年までのリスクオン局面で日本企業の収益力に対する過小評価や慎重見通しが背景だ。外部要因から多少押し目があっても過度に弱気になる必要はないだろう

上方修正に向かう企業が相当数ある

今期(23/3月期)の企業業績は今のところ全体で小幅増益予想だが、第1四半期の進ちょく率から中間決算以降に上方修正に向かう企業が相当数ありそうだ。上振れの可能性は大きいが、投資家の慎重姿勢が変わらず株価には十分に織り込んでない。好調な業績の裏付けがある銘柄は、全体地合いに関わらず底堅い値動きが期待出来るだろう。

業績が好調な銘柄を中心に意外高も

FRBは引き締めペースの過度な緩和期待をけん制しつつ時間をかけてもソフトランディングを目指すのが基本姿勢だ。年後半に向けては、米国株の上値は重くても日本株は底堅くオーバーパフォームが期待出来るというのがおおまかな相場イメージだろう。金融当局の微妙なかじ取りによって米国経済が深刻なリセッションを回避できるということが前提だが、日本株式市場は業績が好調な銘柄を中心に意外高もあり得ると見ている。個別ではデンカ(4061)三菱自(7211))など

光世証券・取締役 西川雅博氏プロフィール

 

1960年奈良県生まれ 1983年早稲田大学政治経済学部卒、大和証券入社 1990年より光世証券 法人部、営業部長、現在コンサルティンググループ担当

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