弱気になる必要なし |光世証券・取締役 西川雅博氏【相場展望】

光世証券・執行役員 西川雅博|企業速報 証券市場新聞
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短期大幅下落の要因

 年明け以降もなかなか不安感が拭えなかった株式市場だが、下値は限定的で春先ぐらいまでは戻りを試す時間帯が続くと見ている。12月以降の米国株大幅調整の背景には大きく3つの要因があった。①米中貿易摩擦や政府機関閉鎖問題などトランプ大統領の強硬姿勢と政権人事を巡る政治リスク②逆イールド現象に見られた景気後退懸念と企業業績減速リスク③そうした状況下でもFRBが金融引き締め姿勢を堅持するリスク。これらのリスク要因から株式市場が長期下落トレンド入りすることが意識され、AIによるシステム売買と相まって短期間の大幅下落につながった。

当面の株価の下支え要因

 しかし、年明けからはこれらの動きに変化が現れ、株価は戻り歩調に転じている。トランプ大統領は公約実現にまい進する一方で、マーケットの動きに神経を尖らせている。米中の貿易交渉は、次官級協議に続いて月末には閣僚級協議が開催される予定だ。交渉はギリギリの攻防になるものの、追加関税の猶予期間中にまとまる方向に向かうと見ている。また、パウエルFRB議長が金融政策を柔軟に運営することに言及しマーケットに配慮する姿勢を示した。米国株価にはプラスに働く一方で、ドル安円高の流れが強まるとの懸念もあったが、今のところ影響は限定的だ。これらの動きは当面の株価の下支え要因として作用するだろう。

グローバル景況感と企業業績悪化は相当水準まで織り込まれた

 17日に発表された日本電産の下方修正は、事前予想に対してサプライズを伴う悪い内容であった。ただ、翌18日の株価は安寄りしたものの下方硬直性を示す値動きとなり、懸念された全体相場への影響もなかった。先週発表の安川電機もコンセンサス比マイナスにも関わらず、株価は5日間で10%以上上昇している。米中貿易戦争よるグローバル景況感と企業業績悪化は昨年来の株価下落で相当水準まで織り込まれたと見るべきだ。

戻りのメドは?

 PBR1倍以下でPER12倍水準だからことさら弱気になる必要もないだろう。当面は下値固めから自律反発の時間帯になると考える。戻りのメドは日経平均で下げ幅の半値戻しである2万1700円水準。昨年後半大きく売られた半導体・設備投資関連の景気敏感株の反発と3月の高配当利回りヴァリュー株を狙いたい。




相場見通し

光世証券・取締役 西川雅博氏プロフィール

1960年奈良県生まれ 1982年早稲田大学政治経済学部卒、大和証券入社 1990年より光世証券 法人部、営業部長、現在コンサルティンググループ担当

東京エレクトロン,米朝首脳会談,パウエルFRB議長,光世証券,西川雅博,米国通商政策

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