長期上昇波動を持続|光世証券・取締役 西川雅博氏【相場展望】

光世証券・執行役員 西川雅博|企業速報 証券市場新聞
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日本株のアンダーパフォームは是正される

年明け以降ジリ高で戻り歩調が続く日本株だが、米国株に較べてそのピッチは鈍い。昨年10月高値から12月安値までの下げ幅に対する戻り率を見ると、NYダウが80%以上なのに対して、日経平均は直近(2/21)の高値でようやく43%である。米国ではFRBの姿勢が変化し金融面からの支援材料が株価を押し上げた側面もあったとは言え、日本株の出遅れ感は否めない。今後は日本株のアンダーパフォームは是正されると見ている。

株式市場にとっては非常に好都合の環境

米国では12月の小売売上高に続き、2月のフィラデルフィア製造業景気指数がマイナス4.1と市場予想(プラス14)を大幅に下回るなど、経済指標の悪化が相次いでいる。ただ、市場ではこれら景気指数の停滞は、米政府閉鎖による一時的なもので、3月には持ち直すとの楽観的な見方が多いようだ。さらに、それらがFRBのハト派政策転換を後押しする材料になるとすれば、低金利下での持続的成長という、株式市場にとっては非常に好都合の環境が整っていると言える。

グローバル景気動向に関心が移る

米中貿易協議は3/1の猶予期限を前にしてギリギリの交渉が続いているが、最終的には合意され追加関税回避いう着地が図られるであろう。期限を延期しても、3月中に米中首脳会談という舞台設定で決着をアピールするという流れではないだろうか。相当織り込んでいるとの見方があるが、昨年来この問題が中国実体経済に及ぼした悪影響の大きさからすれば、大規模な反動が起こる可能性もあり得よう。その後は英国ブレグジット問題と本来の景気循環論的な視点によるグローバル景気動向に関心が移るだろう。

押し目買いで臨む

日本株は昨年末の20%強の大幅調整で、世界経済のリスク要因や成長率の鈍化を先取りする動きを見せた。しかし、年初来実体経済は依然として底堅さを維持し、金融政策も有効に機能している。長期上昇波動は持続していると見て、押し目買いで臨みたい。

期末に向けて一段高も

日経平均では、半値戻しと26週移動平均が重なる2万1700円が当面のポイントである。早い時期に上抜けてくれば、期末に向けて一段高も期待出来よう。5G関連のアンリツ(6754)、業績上振れで村田製作所(6981)に注目。




株式情報と相場見通し

光世証券・取締役 西川雅博氏プロフィール

1960年奈良県生まれ 1982年早稲田大学政治経済学部卒、大和証券入社 1990年より光世証券 法人部、営業部長、現在コンサルティンググループ担当

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