中長期上昇波動に変化なし|光世証券・取締役 西川雅博氏【相場展望】

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世界経済回復は揺らがない

11月に入り予想以上の急騰を演じた日本株だが、日経平均がわずか10営業日で3000円に及ぶ上昇となるとさすがに高値警戒感が台頭するのも止むを得ない。足元では新型コロナ感染者数の拡大とワクチン開発の進展という強弱対立する材料に焦点が当たっているが、世界経済が来年にかけ回復が続くというシナリオは簡単に揺らがないだろう。中国の10月輸出額は前年同月比11.4%増と19ヶ月ぶりの高い伸びとなった。スピード調整があっても中長期の上昇波動という大きなトレンドに変化はない。

トランプ氏との違いに関心

バイデン氏勝利で1月の一般教書演説に向け政治手法や政策に関しトランプ氏との違いに関心が集まるだろう。政権運営については民主党政権と議会の「ねじれ」状態がむしろ中道寄り政策を通じて株式市場にとっては都合がいいとの解釈だ。ネガティブ要因とされていた法人税率の引き上げや規制強化、財政拡張路線による金利急上昇リスクが緩和され、大幅な政策転換がないままコロナ禍による超金融緩和が継続するとう「いいこと尽くめ」の見立てだが、選挙前の予想とは乖離している。それだけ足元でリスク資産に対するニーズが強いということだろう。対中政策については米国世論の状況から強硬姿勢は変わらないとの見方が大勢のようだが、通商政策に関してはより現実的対応に転換される可能性が高いのではないか。

「金利水没」という未曽有の時代

主要先進国ではコロナ前から超低金利が続いていたが、コロナ禍によってさらに「金利水没」という未曽有の時代に突入した。実体経済に先駆けての株高は改めて資産形成の重要性を明らかにした側面もある。足元の日本市場では、24日以降振り込まれるNTTドコモのTOB買取り資金(約4兆円)が株式需給に好影響をもたらしそうだ。カーボンニュートラルやウイズコロナといった時代の要請に応える企業はグロース、バリューという区分に関わらず折に触れ投資対象となるだろう。低PBRや高配当などオーソドックスな株式指標と共にサスティナブル(持続可能)という視点も必要である。

全体の過熱感はさほど高まっていない

日経平均株価は足掛け3年近く2万円~2万4000円のボックス相場を形成してきたが、今回一気に29年ぶりとなる2万6000円台まで急伸した。TOPIXは2018年高値(1万911ポイント)に対してまだ10%ほど下回っている(11/20現在)。一部値嵩株がけん引する日経平均株価の上昇が際立っているが、現物市場全体の過熱感はさほど高まっていない。

TOPIX型銘柄の巻き返しも

ここから年末に向けては追加経済対策やワクチン実用化への期待からTOPIX型銘柄の巻き返しもあり得よう。いずれにせよ、グロースかバリューかといった短期的な物色動向に右往左往しないことが重要だ。また、来年以降については、ワクチンが実用化されアフターコロナを意識する局面で出口戦略の議論が高まる可能性がある。ワクチンが普及し一刻も早い新型コロナの収束と経済活動の正常化が望まれるが、一方金融市場においてはリスクオンからオフへの切り替わりに要注意となろう。

光世証券・取締役 西川雅博氏プロフィール

1960年奈良県生まれ 1982年早稲田大学政治経済学部卒、大和証券入社 1990年より光世証券 法人部、営業部長、現在コンサルティンググループ担当

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp

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