株式市場新聞WEB版2022年8月15日号

2022/8/15月曜日

やっぱり内需が強い

ショップ|企業速報 証券市場新聞

第1四半期決算発表が一巡した。半導体を筆頭にハイテク系は総じて好内容ながら東京エレクトロンの減益決算が水を差したがその半面で、好決算とともに株価上昇が目立ったのが内需株。この数カ月は新型コロナの感染者急増が不安視されたものの、その不安を払拭するごとく好調が続いており、業績面での安心感が株価の下支えになっている。

プーチン大統領が始めたウクライナ戦争でインフレが深刻な問題となっている。インフレ沈静化を図るために欧米は大幅な利上げを余儀なくされた。

投資部門別売買動向を見ると大きな変化が起こっています。6月17日週~7月1日週までの3週間で現物と先物合計で2兆3008億円売り越していた海外投資家が、7月8日週に週間で1兆1850億円買い越しに転じ、15日週は1880億円と小幅に売り越しましたが・・・

日経平均は52週移動平均線を明確に上回り、2万8500円台に乗せてきました。チャートは中長期上昇トレンド入りを示唆しており、グロース株を中心に戻り歩調が続く可能性が高いでしょう

今週の活躍期待銘柄

鴻池運輸

メディアドゥ

 鴻池運輸<9025>の株価は8月9日に50日線水準となる1230円まで調整していたが、そこから急速に切り返す動き。7月22日に付けた高値1336円抜けに期待したい。
 1880年創業の総合物流会社で鉄鋼向けなど構内物流に強みを有してる。23年3月期は台四半期の連結営業利益で前年同期比12.2%増の24億4100万円と計画超で着地。複合ソリューション事業では空港関連における国内・国際便の復便、貨物取扱業務の拡大や鉄鋼関連における大口スポット作業を獲得、国内物流事業でも食料品や通信販売品の取扱量が増加している。通期予想の110億円(前期比6.9%増)達成に不安はない。

メディアドゥ<3678>の株価は7月1日の安値1621円を底にじり高基調が継続、動きに派手さはないが、4月上旬以来の2600円台回復に期待したい。電子書籍取次で国内トップを誇りコミック軸に独自の配信・ストア運営システムに強みを有している。
 23年2月期は連結営業利益で前年同期比28.9%減の20億円と減益の予想だが、これはLINEマンガに対する売上減や電子書店側の積極的なキャンペーンなどが要因で想定内。自社運営書店の「まんがセゾン」ではプロモーション強化による会員数の増加を見込んでおり、NFTマーケットプレイス「FanTop」では一次流通・二次流通コンテンツ増加による寄与を見込んでおり、中期的な成長に期待。

  動意銘柄

国際紙パ
がS高

国際紙パルプ商事<9274>が12日にストップ高。10日取引終了後に発表した23年3月期第1四半期の連結決算は、営業利益53億3900万円(前年同期比3.4倍)と利益が大幅に拡大、通期計画120億円(前期比27.9%増)に対する進捗率が44.5%に達し、収益上振れを期待した買いを集めた。宅配や飲料用包装資材向け板紙販売が好調で、製紙原料は古紙の販売数量が伸びた。

セキュア
がS安

セキュア<4264>が12日ストップ安売り気配。同社は10日の取引終了後、22年12月期の業績予想の修正を発表、連結営業損益で1億6000万円の黒字から1億8000万円の赤字(前期1億5500万円の黒字)へ下方修正した。資材価格高騰や急激な円安となった為替等の影響により大口顧客において一時的な需要調整が発生したこと、世界的な半導体不足や中国ロックダウンの影響で部材仕入れが遅延していること等により大型案件の納品スケジュールの遅延が来期以降まで継続する見通し。

メドピア
がS安

メドピア<6095>が10日ストップ安売り気配。前日取引終了後、22年9月期通期の連結業績予想について、売上高を105億円から84億円、営業利益を25億円から10億円へ大幅に下方修正したことを嫌気した売りがかさんだ。既存サービス伸びが鈍り、新サービスの収益貢献も遅れており、固定費が収益を圧迫、会計基準変更で比較はないが、増益予想から一転実質4割超の減益になる。

エンJ
がS高

エン・ジャパン<4849>が12日ストップ高。10日取引終了後、発行済み株数の11.13%にあたる500万株、100億円を上限とする自社株買いを発表したことを受け、株価浮揚効果を期待した買いを集めた。同時に発表した23年3月期第1四半期の連結決算は、売上高157億9100万円(前年同期比30.9%増)、営業利益18億200万円(同22.0%減)と大幅増収増益で着地、求人サイトを中心に国内事業が好調で、インド、ベトナムの海外事業も順調に拡大した。

ロート製薬
が最高値

ロート薬<4527>が10日急伸、上場来高値を更新した。前日引け後に発表した23年3月期第1四半期の連結決算は、営業利益83億200万円(前年同期比37.8%増)と大幅増益で着地、通期予想を280億円から300億円(前期比2.2%増)に上方修正したことが好感された。行動制限緩和によりコンタクト用目薬やスキンケア製品の国内販売が伸び、円安効果でアジア子会社の為替換算収益貢献も大きくなる。収益上振れに伴い年間配当を37円から40円に引き上げた。

Jリース
が新値

ジェイリース<7187>が10日大幅高で年初来高値を更新した。9日取引終了後に発表した23年3月期第1四半期の連結決算は、営業利益6億1300万円(前年同期比35.9%増)と大幅増益で着地したことがや提携による営業ネットワークの拡充により主力の住居用賃料保証が堅調に推移、事業用賃料保証も順調で、、債権管理業務コストの抑制効果も表面化した。第2四半期累計計画の9億9000万円(同12.1%増)に対する1Qの進捗率は62%に達し、収益上振れが期待された。

原油価格も下落傾向になっているのもインフレ懸念の後退に繋がっている。ただ、戻りの主役はリセッションを見越して売りを仕掛けた売り方の買戻しの様相が強い。
下げ局面で2倍の上昇が見込めるETFの日経ダブルインバースの信用倍率は7月1日に5倍だったのが8月5日には28倍となっていた。

数十年前なら「数年後に上場するから株券を買わない?」といった未公開株への投資によるトラブルが問題になった時期があったが、現在では仮想通貨やFXが主流になっている。

8月第3週の東京市場は、米7月消費者物価(CPI)発表前にリスク回避の売りから日経平均で2万7729円46銭まで下落する場面があったが、週末12日に買戻しの動きから上げ幅を拡げて今年1月以来の高値水準となる2万8500円台の乗せてきた。

編集後記

週末はナイトセッションの225先物で一気に2万8700円台まで急伸した。これまでネットの日経平均板の掲示板などを見ると弱気一辺倒だったが、NYの動きを見て買い戻しを余儀なくされた投資家が多いだろう。買い戻しがどこまで続かは不明だが、バカンスで薄商いとなれば意外な上値があるかも知れない。

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