株式市場新聞WEB版2023年10月30日号

新聞|証券市場新聞

2023/10/30月曜日

再びリスク回避

米国長期金利については一時5%を超えたがその後は急低下し、一時的に落ち着きを見せたが、アルファベットやメタ・プラットフォームズへのネガティブな決算評価から急落、その後はインテルの好決算を受けて27日の東京市場は日経平均で389円91銭高の3万991円69銭と急反発したものの、週末のニューヨーク市場ではダウが36671セント安で3月以来の安値で終えたことを受けて225先物のナイトセッションは3万600円で取引を終えている。中東情勢についてはイスラエル軍の報道官が27日、パレスチナ自治区ガザへの地上作戦を「今夜、拡大する」と述べたと伝わっており、週明けの30日は再びリスク回避の動きを強めそうだ。

新興企業向け株式市場で東証マザーズ指数は10月24日に618.7ポイントまで下げ、2022年6月以来の安値となった。6月21日の高値871.35ポイントから29%も下落した。この間、日経平均は9.2%の下落に止まっている。

先週の東京株式市場は続落となりました。日米の長期金利が上昇したことを受け、株式には売り圧力が働きました。米10年債利回りは23日に一時5.005%まで上昇。そのため、ナスダック総合指数が3月以来の200日線割れとなりました。また、日本の10年債利回りも26日に一時0.885%まで上昇し、日銀が上限に掲げる上限の1%に接近。日経平均は26日に3万567円安値まであり、10月4日の3万487円に接近しました。問題はこれで二番底となったのかどうかです。

前週の東京市場は続落しました。日経平均は前の週から267円下落し、3万1000円を割り込んでいます。5%台に乗せてきた米長期金利が重しになり軟調な展開で、米ハイテク株安を受けて半導体関連を中心にグロース株が売り込まれ、10月4日安値(3万487円)に迫る場面がありました。ただ、週末は米金利低下を好感して急反発、週足は陰線ながら長い下ヒゲを引いており、一定の下値抵抗力は示しています。

チャートから読む騰落銘柄

カゴメ(2811)

住友化学(4005)

10月24日に3023円まで値を崩すも27日は25日線抜けの3191円まで戻し底打ちの気配。24年3月期は営業利益で160億円(前期比25.4%増)へ上方修正で好調な業績も支援。

10月4日の387.1円を底に10月20日の408.9円まで戻すも25日線を抜け切れずに戻り売りに押される。第2四半期はコスト上昇で赤字幅拡大の模様で一転、8月17日安値379.4円が意識される。

 動意銘柄

野村マイクロ
が新値

野村マイクロ・サイエンス<6254>が25日のストップ高に続き急伸、最高値を更新した。同社は24日に、24年3月期の業績予想の修正を発表、連結売上高で580億円から720億円(前期比45.2%増)へ、営業利益で70億円から96億5000万円(同47.3%増)へ上方修正したことが引き続き好感された。水処理・メンテナンスが伸びている。

PEGASUS
がS安

PEGASUS<6262>がストップ安。同社は26日の取引終了後、24年3月期の業績予想の修正を発表、連結売上高で218億8000万円から173億2000万円(前期比31.3%減)へ、営業損益で13億2000万円の黒字から2億3000万円の赤字(前期26億5700万円の黒字)へ下方修正した。工業用ミシンの需要低下が影響している。

太平洋工業
が3日続伸

太平洋工業<7250>が3日続伸。同社は26日の取引終了後、24年3月期の業績予想の修正を発表、連結売上高で1900億円から1980億円(前期比3.5%増)へ、営業利益で105億円から120億円(同29.1%増)へ上方修正した。販売物量の増加や原価改善活動を継続的に推進してきたこと、為替相場が想定レートよりも円安基調で推移したことが寄与した。

日本ギア
が急伸

日本ギア工業<6356>が後場急伸。同社はこの日13時に24年3月期の業績予想の修正を発表、営業利益で6億5000万円から14億6000万円(前期比51.5%増)へ上方修正した。海外の原子力発電所向け大型案件による利益確保や補修用部品・工事事業の売上増加が寄与した。

植松商会
がS高

植松商会<9914>がストップ高。同社は26日の取引終了後、24年3月期の第2四半期累計(4~9月)決算を発表、連結売上高で当初計画の32億円に対して35億1100万円(前年同期比5.2%増)、営業利益で400万円の対して4200万円(同18.2%増)と計画超で着地したことが材料視された。主要取引先である製造業全般における生産の高度化・自動化を目的とした設備投資が底堅く推移しており、工作機械の納期の前倒し要請なども寄与した。

山崎製パン
が急伸

山崎製パン<2212>が急伸。同社は25日の取引終了後、23年12月期の第3四半期累計(1~9月)決算を発表、連結営業利益で前年同期比73.9%増の278億6800万円と大幅な増益となったことが好感された。食パンは、主力の「ロイヤルブレッド」が好調に推移するとともに、「モーニングスター」や「スイートブレッド」などの低価格帯食パンが伸長した。

先週の日経平均は前週末比約267円安と2週連続で週足陰線となった。
3万0500円前後では買戻しが入るが3万1000円台に戻すと売られる展開で戻りの鈍さを感じる展開であった。
やはり米国長期金利の動向で左右される展開が続いており金利上昇のピークアウト感が出るまでは乱高下を繰り返しそうである。

中東情勢の緊迫化が一向に解消する見通しがみられないことで世界の資金が安全通貨のドルへと向かっており、その流れが続いていることを考えると日経平均は週明け更に、売られる可能性が高くなっています。したがって、10月4日の安値を更新する見通しが強まってきました。

街中を歩いていると電気自動車(EV)を見かける機会が以前よりも増えてきた。乗用車ならテスラ、軽自動車タイプなら日産自のSAKURAが大半。先月はトヨタ自動車が出光興産と全個体電池の量産化で協業することが発表されており、これが実現すると充電時間の短縮化と航続距離の拡大から販売価格次第では国内でも普及が期待される。

編集後記

週末27日は急反発となり一息ついていた投資家は多いとは思うが、そのあとのナイトセッションではNY株下落を受けて3万600円台まで急落。ほんとうに落ち着かない。このナイトセッションを見てない投資家は週明けの急落に驚くことになる。ほんとにこの乱高下には疲弊するばかり。毎年、この時期は過去、何度も暴落を経験しているだけに年間行事とみることもできるが・・・。総悲観の時は買い場であることは間違いない。

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