株式市場新聞WEB版2023年8月7日号

2023/8/7月曜日

落ち着き取り戻せるか?

8月第1週の東京市場は中銀ウィーク通過によるアク抜けで高値トライが期待されていたが、格付け会社フィッチ・レーティングスが1日に、米国の外貨建て長期債格付けを最上位の「AAA」から「AAプラス」に1段階引き下げたことを契機に長期金利が上昇し、先物主導で大きく下げる結果になった。

フィッチの格下げについては春先から示唆されていたことから予想されていたことだが、実際に発表されたことでアルゴリズム売買が発動され、フィッチ格下げ発表後で最初に通常取引が行われた東証が格好の売りターゲットにされた。米国市場も高値圏で強い動きをしていたことから利食い売りの口実にされたようだ。

新たな長期金利の上限を1%としたのは「1%までの上昇を容認する」という意図ではない。「もしものための安全弁」として、国債を無制限に買う措置の金利水準を1%に高めたまでの話だ。日銀の新たな金融政策は、非常に分かり難いものになった。

先週の東京株式市場は大幅反落となりました。7月の日銀会合でイールドカーブコントロールを修正後、日本の長期債利回りが上昇。米国では格付け会社フィッチ・レーティングが米国債の格下げを発表し、10年債利回りが4.1%台に上昇し、昨年10月の4.246%が視界に入りました。

前週の東京市場は大幅に反落しました。日経平均は前の週から566円下落しています。米国株高と円安進行を受け、週明け31日は大幅高、TOPIXは年初来高値を更新し、翌1日も大幅に続伸しました。ただ、格付け会社フィッチが米国債を格下げしたことに伴う米長期金利上昇を警戒して2日は768円安と今年最大の下げ、米国株が崩れ国内長期金利も上昇したことから、3日も大幅に続落しています。週末4日は下げ渋ったものの、週前半上昇したあと中盤から大幅に下落する荒い動きで、週足は陰線を引き調整色を強めました。

チャートから読む騰落銘柄

カカクコム(2371)

Aiming(3911)

第1四半期は前年同期比3.8%減の51億7100万円と市場コンセンサスを下回り急落。3月16日の1763円を下回れば20年4月1691円、それを下回れば2017年に付けた1286円までフシはない。

第2四半期連結営業利益で4億1900万円と通期予想の3億1200万円を超過したことを好感し5月4日は524円まで続騰、短期的な利食い売りを吸収して5月8日高値613円を目指す展開を期待。

 動意銘柄

三菱重
が高値

三菱重工業<7011>が後場急伸、年初来高値を更新した。同社はこの日13時30分に24年3月期の第1四半期(4~6月)決算を発表、連結事業利益で前年同期比3.5倍の519億7500万円と大幅な増益となったことが好感された。

品川リフラ
がS高

品川リフラクトリーズ<5351>がストップ高。同社は3日の取引終了後、24年3月期の業績予想の修正を発表、連結売上高で1400億円から1440億円(前期比15.2%増)へ、営業利益で5120億円から142億円(同30.9%増)へ上方修正した。原燃料・電力費の高騰を踏まえた販売価格の改定を進めたことに加え、海外事業の成長推進、販売構成差、継続的なコストダウンの成果が要因。 同時に9月30日を基準日として1対5の株式分割を実施する。

住友化
が急落

住友化学<4005>が急落、年初来安値を更新した。2日取引終了後に発表した24年3月期第1四半期の連結決算は、最終損益331億5300万円の赤字(前年同期699億円9200万の黒字)と四半期として過去最大の赤字に陥ったことが嫌気された。石油化学品の需要減少や住友ファーマの特許切れによる医薬品の損益悪化などが響いた。

アジャイル
が連日高値

アジャイルメディア・ネットワーク<6573>が6連騰、連日で年初来高値を更新。同社は3日の取引終了後、SNSマーケティングの総合代理店のコムニコ(東京都港区)と協業し、フォロワーの獲得からファンの育成までワンストップで行う「SNS ファン育コミュニティ」を8月から提供開始すると発表したことが材料視された。SNSアカウント運用で認知獲得から好意醸成しつつ、そのアカウント上でファンコミュニティ参加募集や候補者のリストアップ・スカウトを実施。対象商材の利用状況やブランド好意度・参加意欲の把握も兼ねたコミュニティ参加登録フォームを経ることで、ファンの個別データの取得と分析を行う。

任天堂
が反落

任天堂<7974>が反落。同社は3日の取引終了後、24年3月期の第1四半期(4~6月)決算を発表、連結営業利益で前年同期比82.4%増の1854億4100万円となったが材料出尽くしで売られている。円安による為替の影響に加え、Nintendo Switchのパッケージ併売ダウンロードソフトが好調に推移したことやNintendo Switch Onlineによる売上が増加した。

JVCKW
が新値追い

JVCケンウッド<6632>が続騰で連日の新値追い。1日に発表された24年3月期の第1四半期(4~6月)決算では連結営業利益で前年同期比9.7倍の50億1200万円となったことが引き続き好感された。これを受けて2日付で野村証券がレーティング「Buy」継続、目標株価を700円から900円に引き上げたことも支援した。

今週は国内市場は金曜日が休日となり4日立ち合いとなる。 決算発表も9日に約400社、10日に850社とピークを迎える。 これまで発表された決算ではおおよそ好調なようで日本株に関しては長期的な上昇トレンドは継続されると思われる。 ただ、短期ではまだ警戒は必要である。
好決算発表が続いており、本来ならば日経平均は上値を追って当然なのですが、突然、米国国債の格下げが飛び出し、混乱状態に陥ったのでした。しかし、概ね、この懸念材料も織り込まれることになり、買い戻していく可能性が高いとみています。

この数カ月はビッグモーターによる不正が連日ニュースを賑わせている。日を追うごとに明らかになる新たな不正には驚くばかりで、この問題が真面目に経営している同業の中古車販売業者のイメージも悪くならないかと懸念している。

編集後記

先週はフィッチによる米国長期債格下げで急落となった。今回も話題になったのが震源地である米国よりも日本株の下げが大きかったこと。ここまでハイテク主導で上げてきた分、金利上昇やアップル株の下落でハイテクの売りが多かったことなど様々な要因がある。ただ、決算発表は概ね好調であることから、様々な評論家の論調に流されず急落場面は余裕をもって仕込んでいきたい。

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