異市場間ダイバージェンス【転ばぬ先のテクニカル】

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寄り付きから仕掛け

昨日の東京株式市場は寄り付きから何らかの仕掛けが入りました。17のシカゴCMEの日経225先物清算値は大証比55円安の3万345円で帰ってきました。昨日8時45分に現物取引より先にオープンする大証の日経平均先物は前日比40円安の3万360円でスタートしました。東証の現物市場がスタートする9時の日経平均先物は3万340円でした。

ファーストリテ買い上げ先物売り

しかし、現物市場がスタートしてわずか8分間で先物は3万560円まで急騰しました。特に好材料が出たわけではなく、ではなぜ急騰したかというと、日経平均という指数の寄与度№1のファーストリテイリングを買い上げたということです。売り方が先物を高く売るために仕掛けた動きではないかと感じました。

FOMCでは金融緩和維持

17日の米国市場では長期金利が高止まりする中、1月下旬開催の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の中で金融緩和を当面維持する方針が確認されてダウは上昇しました。著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャーハザウェイが新規に株式を取得したことが明らかになったベライゾンとシェブロンが買われてNYダウを押し上げました。

金利上昇とともに成長株売られる

しかし、長期債の利回りが高止まりしていることでナスダック株は売られました。AMAT2.2%安、マイクロン1.9%安、エヌビディア2.8%安、TI1.2%安、インテル1%安、アップル1.76%安、クアルコム1.6%安、ASML2.6%安といった具合です。ナスダックを牽引してきたテスラ株も三尊天井から下降トレンドに移行してきたようです。今までは成長株としてPERなどを無視して上げてきた株は、金利上昇とともに売られる理屈です。

米株調整入りの可能性高まる

17日発表された経済指標は1月の米小売売上高が前月比5.3%増と市場予想(1.2%増)を上回る大きな伸びとなり、1月の鉱工業生産統計で製造業生産指数も予想以上の内容で景気の回復を印象づけました。景気回復を先取りして長期債利回りが上昇してきている訳で、目先は米株の調整入りの可能性が高まってきました。

ビットコイン暴騰しテスラ株値下がり

そんな中、仮想通過のビットコインが暴騰して5万ドルを超えてきました。テスラがビットコインに15億ドル投資したという話が出たのが2月8日です。このニュースを切っ掛けにビットコインが急騰しておりますが、テスラ株は逆に値下がりしています。これはある意味、異市場間ダイバージェンスではないでしょうか。

テスラ株狼狽売りも

もし仮に、先駆して下げだしたテスラ株に引き寄せられるようにビットコインが下落すれば、仮想通貨を決済手段とする企業の経営が急速に悪化し、テスラ株が狼狽売りされることはないのでしょうか?通貨としての価値を図る手段のないものであり、大企業が決済に採用するというニュースだけで買われている訳です。

典型的なバブル現象

買うから上がる、上がるから買うという典型的なバブル現象であり、先のゲームストップ株同様にある時気が付けば、背後にいたはずの買い方が消えてしまうということもある訳です。筆者はビットコインの上昇恩恵で急騰してきたマネックスGの空売りを虎視眈々と狙っていましたが、増し担保などの規制もなく突然空売り禁止の措置が取引所から発表され愕然としています。

メディアシークはボックス相場抜けへ

それはさておき日経平均は波動的にはもう一度3万714円高値を更新する最終波動が残されていると見ていますが、債券市場やビットコインなどの動き次第ではインデックス相場が突然切り替わることも考えておかねばなりません。アクティブ運用へと切り替われば個別材料株物色が盛り上がることでしょう。逆行高のメディアシーク<4824>が半年続いたボックス相場を抜けそうな気配なのが気になります。

日々勇太朗

相場見通し

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp

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