相場に過熱感【転ばぬ先のテクニカル】

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三空形成銘柄が急増

「三空形成」銘柄が急増し、相場が過熱してきました。一般的には「三空」とは酒田五法で株価急騰時に日足の窓を三回空けることで、寄り付きが前日の高値以上で3日連続で買い上げられることを言います。強い感じの上げが続くことから、この先ずっと上げ続けていきそうですが、そうもいきません。窓開けをした場合、窓を埋めるような展開を持たないと、相場は長続きしないものです。

下降相場を暗示

三空踏み上げは3つも窓を開けているので、相場が過熱しすぎであり、今後は窓を埋める行動に転換する、つまり、下降相場になるということを暗示しています。酒田五法では、「三空踏み上げに売り向かえ」といい、今後の上昇に期待をしないように釘を刺しています。

私が見ている「三空」

私が見ている「三空」は窓は空けていない状態でも、3日連続で前日高値以上で寄り付いた銘柄群リストです。寄り付きで一旦、窓を空けて上昇するも、取引時間内に株価が前日高値以下に落ち、日足チャートでは窓空けになっていないものも含めてカウントします。ですから実際の株価は下降相場になる暗示とはなりません。

統計から分かること

しかしながら3日連続で買い気配スタートする銘柄が毎日、何銘柄あるかの統計をとると相場全体の過熱感が分かります。過去の統計では1日300銘柄を超え1000銘柄に近づくと逆の動きに転換する場合が多いということが統計的に分かっています。

主力株が5日線割ると注意

そして15日段階ですが、東証一部で308、東証二部で43、ジャスダックで52、マザーズで63、その他市場3となっており、トータルで469銘柄に達しています。先週金曜日が334、木曜日が287といった具合で日々増加傾向を示しています。これは出遅れ割安の景気敏感株がこのところ急騰しているから起こっていることですが、主力株が5日移動平均線を割り込みだした場合は要注意です。

NY市場はヒンデンブルクオーメン

ところでNY株式市場も景気敏感株中心に買いが継続しており、ナスダック市場を尻目にNYダウは7連騰。4日連続で史上最高値を更新しています。しかしNY市場は今月3日から「ヒンデンブルクオーメン」が点灯しています。ヒンデンブルクオーメンとは以下の4項目を満たすことが条件です。

ヒンデンブルクオーメンの条件

・52週高値・安値を更新した銘柄がともに上昇・下落銘柄数の合計の2.2%を超える。・ニューヨーク証券取引所(NYSE)総合指数が50営業日前を上回る。・短期的な騰勢を示すマクレーラン・オシレーターの値がマイナスとなる。・52週高値の銘柄数が52週安値の銘柄数の2倍を超えない。

点灯後1カ月内に5%以上の下落

これは盲目の数学者ジム・ミーカが考案した指標とされており、1937年に爆発事故を起こしたドイツの飛行船で、事故後、株価が調整したことがその由来だということですが、過去、点灯後1カ月内に80%弱の確率で5%以上の下落が生じるとされています。

直近ではコロナ暴落前

直近では昨年1月28日に点灯し2月12日に2万9568ドルを高値にコロナ暴落に突入。その前は2019年8月2日に点灯。この時のNYダウは2万6570ドルでしたが、8月15日には2万5507ドルまで下落。2019年5月10日点灯時は5月16日に2万5957ドルを高値に6月3日には2万4680ドルまで下落といった具合です。

バイデン政権は増税検討

そして、このタイミングでバイデン政権は増税を検討しているというニュースが流れてきました。15日の米株市場に影響はありませんでしたが、報道によると法人税増税の他に、年間所得が100万ドルを上回る個人についてキャピタルゲインと配当に39.6%の通常の所得税を適用することを検討。年間所得40万ドル超の富裕層には所得税率が37%から39.6%に引き上げられ、12.4%の社会保障税率も適用されるのではないかということですので、気を付けるに越したことはないと思います。

5日線割れば利食い撤収

このところ数銘柄、このコラムで注目銘柄を取り上げました。大日本印刷や野村マイクロ、Jパワー、テクノホライゾンなど順調に伸びています。しかし相場が上述のように相場過熱を感じており、5日移動平均線を割り込みだした場合は利食い、撤収がよろしいかと思います。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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