ドット上方増えれば長期金利上昇
昨日の東京株式市場は小動き推移となりました。米FOMCや日銀会合を控えてポジション調整売りも出たようです。今回のFOMCではドットチャート(FOMCメンバーが適切と考えるFFレートの水準)が示されます。昨年12月の経済予測では、当局者1人が22年中に1回の利上げを予想し、5人が23年末までに少なくとも1回の利上げを見込んでいることが示されました。FOMC参加者18人中でドットを上方修正する当局者が増えるのかどうかに注目が集まります。増加した場合は長期金利の上昇となり、株価には再度逆風が吹くことが予想されます。
ビル・グロース氏が米国債ショート
かつて債券王と呼ばれたビル・グロース氏が米国債のショートポジションを取ったと伝わっています。同氏は1.9兆ドルの追加経済対策やインフラ支出案などに加え、ワクチン接種が進み、今後、消費者が一斉に消費行動に移ればインフレ率が3~4%に加速するという見通しに基づいた行動だそうです。もしそうなれば株価の急落が起こるでしょうから物価統計から目が離せません。
SLR規制緩和期限延長問題も
また、今回のFOMCでは補完的レバレッジ比率(SLR)を巡る規制緩和の期限延長問題も警戒されています。新型コロナウイルス流行による景気悪化を和らげる措置の一環として大手銀行の補完的レバレッジ比率(SLR)規制を一時的に緩和し、銀行が保有する米国債やFRBに預ける準備預金を同比率の算出から除外することを認めることに致しました。FRBは、同規制緩和が米国債市場の流動性問題を解消する一助となり、銀行に融資継続を促すと見込まれると説明しましたが、この期限が今月末31日までです。
通過後に次のポジション形成
SLR規制は2007~09年の金融危機後にFRBが導入し、総資産2500億ドル以上の銀行に適用していました。資産規模に応じて一定比率以上の資本を保有することを銀行に義務付けており、景気悪化時のバッファーを強化する狙いがありました。恐らく期限の延長措置が取れれるものと思われますが、もし撤廃した場合は衝撃となり得ます。まずはFOMC、そして日銀会合通過後に次のポジション形成へと向かいましょう。
日々勇太朗
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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