景気回復期待のピークアウト【転ばぬ先のテクニカル】

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暴落のサイン点灯

昨日の東京株式市場は日経平均が4日続落となっています。昨日の当コラムでお伝えしましたように、日経平均の日足は「下放れ二本黒」という売り線が出現。昨日の寄り付きで更に下放れたことで暴落のサインが点灯しました。

2万8308円割り込むと上昇相場終焉

ここでの注目点は3月5日のザラ場安値の2万8308円を守れるかどうかです。2月16日の3万714円高値後、3月5日の2万8308円まで調整し、3月18日に3万485円まで戻しました。2万8308円をもし割り込むとダブルトップが完成し、上昇相場の終焉を示唆することになります。

チグハグな動き目につく

23日の米国市場では景気悪化懸念で長期債利回りが低下しました。本来、長期金利の低下は成長株の見直し買いにつながるはずですが、昨日はナスダック市場は1.12%安となり、チグハグな展開となってきました。このところNYダウが上げてもナスダックが下げたり、東京市場でもTOPIXが高くても日経平均が安い、といったようなチグハグな動きが目につくようになりました。上昇相場であれば揃って上昇するものですので、市場が何らかのヒントを我々に訴えているのかもしれません。

各指標テクニカルチャート悪化

日経平均の一目均衡表・日足は雲下限にタッチしてきました。遅行スパンは前日の転換線に続き昨日は基準線をも割り込みました。週足の一目均衡表では転換線割れ。移動平均線では前日5日線と25日線がデッドクロスしましたが、昨日は5週線や13週線を明確に割り込んできました。そしてTOPIXもテクニカルチャートが悪化。昨日は下放れの陰線形成で25日線を割り込み、MACDがデッドクロス。またマザーズも同様に下放出れの陰線形成で25線を割り込み、MACDがデッドクロス。

配当先回り買い期待も…

来週はインデックスファンドなどが3月期末の配当分約1兆円を先回り買いすることへの期待はありますが、主要指標がことごとく陰転してきており、先行きは厳しいを言わざるを得ません。なぜこのような急激な変化をきたしてきたのでしょうか?恐らく世界の景気回復期待がピークアウトしたということだと思います。33業種全てが下げましたが、昨日も前日に続き海運や空運、鉄鋼の下落率が大きくなりました。

感染再拡大で原油も大幅安

欧州での新型コロナ感染が再拡大しており、ドイツがロックダウンの強化を発表。ワクチン接種が急速に進む米国でも徐々に感染者が増加傾向となってきたことも一因でしょう。そのためWTIの原油先物相場が6.2%の大幅安となり、2月5日以来およそ1カ月半ぶりの安値まで売られました。

中国巡る政治リスクも

また中国を巡る政治リスクの高まりも警戒されるところです。欧州連合(EU)は少数民族ウイグル族の不当な扱いが人権侵害にあたるとして、約30年ぶりに中国の当局者らへの制裁を採択しました。バイデン政権になり、各国が協調して中国に対処するように変わってきたこともリスク要因でしょう。上海総合指数は26週線を割り込み、香港ハンセン指数も5週線と13週線がデッドクロス。

外部環境悪化で戻り売り

来週月曜日までは期末の配当取りが期待される局面ですが、空振りリスクが高まってきました。配当狙いで買ったところで配当落ち日にはその配当分の株価は下がるものです。それよりも現金を確保して配当落ち後に買う手もあるわけで、ここで無理はできません。新年度相場への期待もあるでしょうが、外部環境が悪化しており戻り売りで対処するところでしょう。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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