日経平均足踏みも個別にシッカリの銘柄
昨日の東京株式市場は反落しました。前場は上下幅120円程度と静かな展開でしたが、後場に入り、ウクライナ側が迫撃砲を打ったとロシアの国営通信が報じていると伝わり、一時、日経平均は380円安まで売られる局面がありました。日経平均は25日線で頭を押さえられ足踏み状態ですが、個別銘柄ではシッカリした足取りの銘柄も沢山あり、問題はないように思います。
ロードスターは上場来高値
昨年末にお年玉銘柄としてご紹介したロードスターキャピタル<3482>が1600円台に乗せてきました。まだ東証に申請している市場変更の答えが出てきていませんが、上場来高値を更新してきたことで、どこまで伸びるのか大注目。
大紀アルミと日軽金に注目
さて、本日は大紀アルミ<5702>と日本軽金属<5703>に注目したいと思います。大紀アルミはアルミ2次合金地金の国内トップメーカー、日本軽金属はアルミの総合メーカーです。ここにきてアルミニウムの騰勢に拍車が掛かってきました。16日のロンドンLME価格は48ドル高の3256ドル。アルミニウムの史上最高値はリーマンショック前の2008年7月につけた3380ドルであと120ドルほどに迫ってきました。
中国のアルミ生産激減
アルミ価格の騰勢は、世界最大の生産国である中国の生産が激減しているからです。アルミ精錬には膨大な電力を必要としますが、中国の昨年秋口から電力不足が深刻化。足元では電力不足はほぼ解消されているようですが、現在はオミクロン株の感染拡大で広西チワン族自治区の百色市がロックダウンされ、アルミの供給網が大打撃を受けているのです。
車部材のアルミ化進む
アルミは高い熱伝導性・電気伝導性を持ち、軽量で加工も容易なことから航空機や鉄道車両、自動車、アルミ建材、食品、薬品の包装、アルミ缶など非常に用途が広いものです。そこへ世界のEV化の大潮流が加わってきました。アルミは鋼材よりも重量が軽減できることから車部材のアルミ化が進んでいましたが、そこへ、テスラがコンパクトSUVの「モデルY」に「メガキャスティング」と呼ばれる製造プロセスを導入しました。
テスラに続きボルボもメガキャスティング
メガキャスティングとは一つ一つの部品をアルミ化するのではなく、アルミ、亜鉛、マグネシウム等を高温で溶かし、金型に流して一体成型化する技術です。この技術で一気に作業が軽減することが可能となりました。そこで完全EV化を宣言しているボルボもメガキャスティングを導入することを表明。
アルミ関連企業の活躍余地大きい
ボディ鋼製を維持しながら二酸化炭素を35%削減できるため、このようなタイトな需給は世界的なEV化の流れを考えれば、アルミ関連企業の活躍余地は大きいものと思われます。
日々勇太朗
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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