200日線がサポートするか【転ばぬ先のテクニカル】

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地政学的リスク高まり急落

昨日の東京株式市場は久々に値幅を伴った急落となりました。米ペロシ下院議長(米国No.3)が台湾を訪問するということで、地政学的リスクが高まったというのが下落の解釈です。

連日1円以上のドル安・円高

ドル円は連日1円以上のドル安・円高が進行しており、昨日は130円台に突入しました。7月6日の136円台の時に、ソロソロドル高は一服し127円台への円高の可能性をお伝えしました。その後、ドル円は一時139円38銭までドル高が進行しましたが、136円を割り込むと急加速。テクニカルチャートでは5月9日の131.33円を割り込んだことで5月24日の126.36円まで節目がありません。

円高・ドル安は近日中には止まる

少し長めの値幅を取ると、2月24日の114.40円から7月14日の139.38円までの上げ幅に対するフィボナッチ計算値61.8%押し水準(131.33円)をも切りましたので、76.4%押しの129.43円がターゲットではないかと思われます。いずれにしても目先の円高・ドル安は近日中には止まるものと考えます。

またしても2万8000円突破出来ず反落

日経平均はまたしても2万8000円突破が出来ずに反落。ただ、前日なぜ上げていったのかが不思議で、現物指数も先物指数も高値引けでした。指数が高値引けすると強いというイメージがあるかもしれませんが、実は急いで買い戻しせねばならない力が、引けにかけて高まったことで高値引けするケースが多く、翌日は買い戻し終了の反動で下落する場合が非常に多いというのが統計上明らかです。ひょっとすると売り方が買い戻しを誘うために先物主導で持ち上げて、売り仕掛けしたのかもしれません。

インフレ圧力は弱まる兆し

1日の米国では7月のISM製造業景況感指数が発表されました。市場予想の52.0に対し結果は52.8と上回りましたが、6月の53.0より鈍化。52.8は約2年ぶりの低い数値であり、景況感の鈍化が示されました。特に新規受注が節目の50を下回り生産も小幅鈍化。雇用はやや改善しましたが、入荷遅延は6月の大幅改善に続き7月もやや改善し、サプライチェーンの混乱が緩和されている可能性が示されました。また、物価は大きく鈍化し、予断は許しませんがインフレ圧力が今後弱まる兆しが出てきました。このあたりもドル売り材料として意識されていると思われます。

日経平均は上下に窓

さて、日経平均は200日線(2万7563円)に接近。ここが下値サポートとして意識されるのかどうか。6月高値からの急落で空けた日足の窓は残すところ一つで2万8044円~2万8189円。今回の上昇過程では2万7043円~2万7295円にも窓を残しています。上昇トレンド継続には下の窓は無視して上の窓を埋めに行って欲しいところ。下の窓を埋めてしまえば更に値下がりする可能性が出てくるため避けたいところで、ここは200日線近辺での下げ止まりがあるかどうかが注目ポイントとなります。

土屋HDの株価の行方に興味

個別銘柄ではここから買う気にはなれませんが、土屋ホールディングス<1840>の株価が今後どうなるのか興味深く眺めています。6月15日に一時急落し178円安値がありましたが、その後昨日まで下げたのは3日しかありません。連日、小幅ながらも上げ続けており、何を評価して買いが続いているのか興味深いところです。北海道地盤の注文住宅会社と地味な存在。時価総額が66億円程度ですが、キャッシュフローを見ると現金などが約54億円あり、株価純資産倍率(PBR)が0.57倍からTOBに発展するのかなと首を傾げて見ています。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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