EPSは3月末からほぼ半減
決算発表が佳境を迎えています。そして驚かされるのは、日経平均採用銘柄の一株利益(EPS)の急低下です。13日の決算発表により日経平均採用銘柄のEPSは前日から238.91円低下して853.71円となりました。3月末からほぼ半分になりました。日経平均株価は2万円台で推移しているために株価収益率(PER)は23.74倍に跳ね上がりました。
解説者はPERを指標に使う時期にない
解説者は今、PERを指標として使う時期にはない、という論調です。アフターコロナを買う相場であり、そこに「割高だ」という視点は見当たりません。確かに新興市場の成長企業の場合は数年先の利益成長を先取りして、高株価でも更に人気化して大相場を演じることは多々あります。しかし、日経平均という日本を代表する株価指標の採用銘柄にも当てはめて良いものでしょうか。成熟企業が多い大企業と小資本の成長企業を一緒にすることは出来ません。
PERが使えないなら何を頼りに
誰も言わないなら私が言いましょう。筆者の目からは今の東証一部銘柄は割高に映ります、と。そしてPERが使えないなら何を頼りに株価を評価するのか、と。株価を形成する要因は企業業績だけではありません。需給バランスや経済動向、金利や為替要因もあります。需給面で述べれば、日銀が買い支えているから割高でも下がらないとも言えるでしょう。
日銀に出口戦略ない
しかし、これほど急激に利益が減少しているのに、アフターコロナで買えるものでしょうか。割高水準は日銀に任せておきましょう。今の日銀に出口戦略はなく、急減している自社株買い代わり程度です。割安な位置まで落ちれば、売らない大株主のお陰で次の上昇局面では需給がスッキリするでしょう。
米国株に崩れる兆候
アメリカに目を向けるといよいよNYダウやS&P500に崩れる兆候が出てきました。なんといっても米国市場を牽引してきたのはナスダック市場。そのナスダックの時価総額の8%を占めるアップルの株価が崩れる前の水準まで戻りました。買われた理由は色々ありますが、ここから更に上げる理由が筆者には見当たりません。早晩、ナスダックの崩れが現実のものとなると考えます。
緊急事態で上げた相場が解除で下げる
日経平均は2万円大台割れとなり、5月限SQ値や5日移動平均線を割り込んできました。緊急事態で上げた相場が解除で下げるとは面白いものです。チャートポイントは5月7日安値の1万9448円です。この手前で止まるのかどうか。ここを割り込む場合は4月3日安値の1万7646円を目指すことになりましょう。
日々勇太朗
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