総選挙投票日あたりまでは上昇圧力継続|光世証券・取締役 西川雅博氏【相場展望】

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9月になり政局が一気に流動化

9月になり政局が一気に流動化したことから、株式市場は様変わりの相場模様になった。

短期的に大きな上昇がないことを前提にしていた先物・オプション

TOPIXは年初来高値を更新し、日経平均は4月高値から8月20日まで5カ月間の調整値幅3000円を2週間ほどで取り戻している。短期的に大きな上昇がないことを前提にした先物・オプションのポジションが積み上がっていたことで、損失拡大を回避するためのアンワインドが指数急上昇につながった面もあったようだ。

選挙に勝てる総裁は株価にはポジティブに働く

過去の事例を見ても、不人気に陥った総理の辞意は株高につながっているケースが多い。当面は政局の動きに市場の関心が集中し、期待が先行しやすい状況が続くだろう。今回は総裁選の後に衆議院選挙が控えており、選挙に勝てる総裁を選ぼうという力学は与党勝利と選挙後の安定政権樹立の連想につながり、株価にはポジティブに働くと見ている。

米国はややハト派に軸足

一方、米国を始め主要国では感染再拡大の影響もあり、足元で景気回復ピッチが鈍化する傾向が見られる。人員難や資材不足が生産活動の足かせになっている面もあるようだ。8月の米国新規雇用者数の伸びは市場予想を大幅に下回った。金融市場では量的緩和の縮小開始が年内にあるとの見方に変化はないようだが、早期利上げ論が後退してややハト派に軸足が戻っている。

米国市場はゴルディロックス相場の環境にある

8月以降の米国10年債利回りは1.3%前後で小動きに終始している。コロナの感染状況には注意が必要だが、長期金利の低位安定を見る限り、米国市場はゴルディロックス相場の環境にあると言えるだろう。

上方修正期待から割高感に乏しい

急騰を演じた日本株だが、下期に向け業績の上方修正期待が根強くファンダメンタルズからは割高感に乏しい。当面はグローバル市場の安定と政局不透明感の払しょくを背景に、少なくとも総選挙の投票日あたりまでは上昇圧力が継続する展開と見ている。テクニカル面からの短期のスピード調整があったとしても、好業績銘柄や新政権の政策関連銘柄の循環物色が想定され、そうした銘柄の押し目買いが有効な戦略となろう。

個別では?

個別では日清紡ホールディングス(3105)、旭化成(3407)、横浜ゴム(5101)。

光世証券・取締役 西川雅博氏プロフィール

1960年奈良県生まれ 1983年早稲田大学政治経済学部卒、大和証券入社 1990年より光世証券 法人部、営業部長、現在コンサルティンググループ担当

 

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