株式市場新聞WEB版2023年5月15日号

2023/5/15月曜日

3万円が視界に

ニューヨーク市場では米地銀のパックウエスト・バンコープの預金が1割弱減ったと明らかになったことで金融株が荒い値動きになる場面があった。これに加えてミシガン大学が12日午前に発表した5月の消費者態度指数が57.7と市場予想の63.0を下回り、昨年11月以来の低水準となったことで景況感の悪化も懸念され12日のダウが5日続落となっているが11日までのナスダック指数の強い動きが支援材料になった。

今年に入ってからハイテク株の上昇が続いている。6月13~14日に開くFOMCで決める政策金利について利上げ見送りとの決定となれば、さらにハイテク株の上昇に弾みが付くだろう。米金利先物の値動きから米金融政策を予測する「Fedウォッチ」によると、据え置くとの予想確率は92%台まで上昇している。CPIの発表前にはインフレの上振れを警戒する見方もあったものの、そうはならなかったとして、FRBがこれまでの利上げによる累積効果を見極める態勢に入るとの観測が増えたようだ。

2022年からアメリカを中心に世界各国が、景気後退・金融不安に陥る中、新興国市場では「フィリピン」に熱い視線が送られるようになっています。
なぜならば、2022年、フィリピンの前年同期比GDP上昇率は、驚異の7.6%。フィリピンもウクライナ戦争の影響を受け、物価上昇・金利上昇をしていますが、その勢いは衰えず、フィリピンの統計庁による2023年1月~3月でのGDPは前年同期比6.4%上昇しました。
では、なぜフィリピンがこれほど好景気が続くのでしょうか?

先週の東京株式市場は5週続伸となりました。5月に入っても海外投資家の買いが続いているといった見方が相場を押し上げているようです。4月以降、国内勢は売り越しを続けてきましたが、5月第1週の2日間だけの立ち合いでも海外投資家は現物と先物の合計で4607億円の買い越しが判明し、5週間連続買い越しを見せられた国内勢の焦りが聞こえてくるようです。

前週の東京市場は5週続伸しました。日経平均は前週末比230円高です。大きく上値を追うことはありませんでしたが、需給が良好で好決算銘柄への買いが下値を支え堅調に推移しました。

チャートから読む騰落銘柄

雪国まいたけ

LIFULL

調達コストの高止まりを考慮し24年3月期は営業利益で前期比69.3%減の6億7300万円と大幅減益予想。970円まで急落するも昨年12月末の安値圏を意識して下げ渋る動きで1000円台回復できるか。

3月以降の220円~210円のもみ合いから一気に上放れ。23年9月期の第2四半期累計(10~3月)は連結営業利益で前年同期比3.76倍の大幅増益で着地、昨年11月高値291円が視野。

 動意銘柄

ソフトバG
が大幅続落

ソフトバンクグループ<9984>が大幅続落。日の取引終了後、11日取引終了後に発表した23年3月期の連結決算は、最終損益9701億4400万円の赤字(前の期は1兆7080億2900万円の赤字)と2期連続赤字で着地したことが嫌気された。アリババ株のデリバティブ関連損失やドル建て債務、現預金などの為替差損発生でビジョン・ファンドの投資損失が膨らんでいる。

藤田観光
が続伸

藤田観光<9722>が反発。同社は11日の取引終了後、23年12月期の業績予想の修正を発表、連結売上高で566億円から608億円(前期比39.0%増)へ、営業利益で4億円から37億円(前期40億4800万円の赤字)へ上方修正した。インバウンド市場で需要の大幅な回復が見られたほか、国内市場においても新型コロナウイルス感染者数の減少や行動制限の緩和に伴い観光需要の回復が継続した。

ホンダ
が反発

本田技研工業<7267>が反発。同社は11日の取引終了後、24年3月期の業績予想を発表、連結売上収益で18兆2000億円(前期比7.6%増)、営業利益で1兆円(同19.1%増)と大幅な増益を見込んでいる。為替レートは1ドル125円を想定している。 同時に上限6400万株(発行済株式総数に対する割合3.8%)または2000億円の自己株式取得枠の設定を発表した。

東エレク
が続伸

東京エレクトロン<8035>が続伸。同社は11日の取引終了後、24年3月期の業績予想を発表、連結売上高で1兆7000億円(前期比23.0%減)、営業利益で3930億円(同36.4%減)と大幅な減益を見込んでいる。過去最高となる約2000億円の研究開発投資を見込んでいることからこれをボジティブ視している。 同時に上限1000万株(発行済株式総数に対する割合2.1%)または1200億円の自己株式取得枠の設定を発表した。

シノキHT
がS安

シキノハイテック<6614>がストップ安。11日取引終了後に発表した23年3月期単体決算は計画を上回り、営業利益6億5700万円(前の期比65.7%増)と大幅増益で着地したが、24年3月期は5億6000万円(前期比14.8%減)と2ケタ減益を見込んだことで失望売りを浴びた。半導体後工程商材への設備投資、車載機器向け専用計測器の受注が伸び、デジタルLSI設計受託も堅調だが、半導体部材の調達難、長納期化の影響を織り込み保守的に見積もった。

ミツバ
ストップ高

ミツバ<7280>が11日ストップ高。10日引け後に発表した24年3月期の連結業績で、経常利益150億円(前期比2.5倍)と収益急拡大を見込んだことがポジティブサプライズになった。半導体不足の影響はまだ残るものの、自動車生産の回復とコスト対策効果が表面化する、

先週の日経平均は前週末比約230円高となり5週連続で上昇した。
ここ数週間安定した上昇が続いてる。背景にはやはり海外投資家の買いが大きく影響している。先週のこの欄にも書いたが海外投資家が「変化しつつある日本」を再評価しているのである。
金利の緩やかな上昇、物価の上昇、賃金の上昇等過去数十年動かなかったデフレ傾向が変化しつつある。

日経平均は3万円が視界に入ってきた。海外に目を向けるとNYダウや独DAX、英FTSTEM、上海とも冴えない動きで、日本株もマザースやグロース指数は冴えないから日経平均とナスダック指数だけが独歩高だ。

編集後記

日経平均は3万円が視野に入ってきた。個別でみれば減益予想の東京エレクトロンが上昇する光景などを見ると違和感を覚えるが、持たざるリスクを感じて目先の業績を無視して買う動きもみられる。このまま一気に行くにしても冷静に考える時間は必要。押し目を待ちたい。

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