株式市場新聞WEB版2023年10月2日号

2023/10/2月曜日

下値固めを期待!

米10年債利回りが9月27日に一時、4.6%台に乗せて16年ぶりの高水準になったことに加えて、米連邦議会下院で共和党幹部が提案したつなぎ予算案を可決できなかったと伝わったことで政府機関の一部閉鎖懸念が高まったことも足枷となった。日経平均先物はナイトセッションで3万2000円を回復する場面があったが、ニューヨーク市場でダウが158ドル84セント安とほぼ4カ月ぶりの安値となったことを受けて3万1800円で引けており、週明けの東京市場は3営業日続落でのスタートとなりそうだ。

過去10年に限ってみると、10月は中旬から月末にかけて大幅に上昇する傾向がある。日経平均が9月16日以降、売り圧力が強まっているのは海外投資家(外国人)の売りが要因だ。9月第3週(19日~22日)の先物の投資部門別株式売買動向(日経平均先物、TOPIX先物、ミニ日経平均先物、ミニTOPIX先物の合計)によると、外国人は3399億円売り越した。現物株(東証・名証の合計)との合算では1兆2531億円も売り越しだ。日経平均の動きは外国人投資家の売買で決まる。

9月相場が終わりました。日経平均はメジャーSQ通過後に騰勢を強め3万3634円高値までありました。その後、米連邦公開市場委員会(FOMC)で2024年と25年の政策金利見通しが引き上げられたことで、米長期金利が上昇し米国株式市場が軟調に推移し、日経平均は3万1000円台まで降下。月足は3カ月連続陰線となり、6カ月移動平均線の位置まで落ちてきました。

前週の東京市場は続落しました。日経平均は前の週から544円下落しています。長期金利上昇と原油高を嫌気して軟調な展開でした。

チャートから読む騰落銘柄

不二越(6474)

オンワードHD(8016)

9月20日に4260円の年初来高値更新後に25日線割れまで値崩す。10月4日に23年11月期の第3四半期発表だが、通期予想の再下方修正なければアク抜けの可能性も。50日線で下げ止まるか?

9月上旬からの550~560円のもみ合いを経て25日線割れの503円まで値を崩すもその後は底打ちの気配。5日に24年2月期の第2四半期発表だが、好調再確認されれば25日線から50日線抜けとなりもみ合いゾーン回復期待。

 動意銘柄

旅行関連
が買われる

ベルトラ<7048>やアドベンチャー<6030>、tripla<5136>など旅行関連の一角が高い。中国の大型連休がこの日から始まったことで、訪日観光客増加への期待から買いが向かった。「中秋節」と建国記念日に相当する「国慶節」が重なり、8日間の長期連休となるという。

JCRファーマ

JCRファーマ<4552>が急伸。同社は27日の取引終了後、24年3月期の業績予想の修正を発表、連結売上高で369億円から454億円(前期比32.2%増)へ、営業利益で56億円から105億円(同2.1倍)へ上方修正した。遺伝子組換え天然型ヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト」が大きく伸長している。

ロジザード
がS高

ロジザード<4391>がストップ高。岸田文雄首相は28日、トラック運転手の残業規制強化で物流が滞る「2024年問題」に関連し、10月上旬に関係閣僚会議を開き「物流革新緊急パッケージ」を取りまとめると表明、倉庫の在庫管理システムをクラウドで提供し、アパレル向けに強く、ネット通販や3PL向けに注力している同社にビジネスチャンス期待が高まった。

メドレックス
がS安

メドレックス<4586>がトップ安売り気配。この日立ち合い開始前、23年12月期の連結業績予想について、営業損益を9億5000万円の赤字から10億5000万円の赤字(前期実績10億9800万円の赤字)に下方修正したことを嫌気した売りがかさんだ。予定していた帯状疱疹後の神経疼痛治療薬「MRX-5LBT」の承認が今期中に取得できず、売上高が1億円下回り、赤字が拡大する。ただ、FDAから審査完了報告通知を受け取り、現在、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所<4576>と内容を精査しているとしている。

銚子丸
が3日続伸

銚子丸<3075>が3日続伸。同社は27日の取引終了後、24年5月期の業績予想の修正を発表、連結売上高で209億100万円から211億1500万円(前期比9.3%増)へ、営業利益で6億9900万円から11億3100万円(同69.1%増)へ上方修正した。イートイン客数の回復による売上高の増加に加えて、コロナ下に推進してきた機械化・省力化等による利益体質の改善努力が奏功した。

メディシノバ
が急伸

メディシノバ<4875>が9月28日に急伸。同社は米国生物医学先端研究開発機構(BARDA)との提携共同開発による塩素ガス暴露による肺障害に対する医学的対策としてのMN-166(イブジラスト)の研究結果を発表したことが材料視された。イブジラストは、塩素ガス暴露による急性呼吸窮迫症候群(ARDS)や急性肺障害(ALI)に対する治療法・医療対策(Medical countermeasures;MCM)への可能性から研究を行っている。MN-166の複数回投与により、肺機能の大きく有意な改善と生存率の向上が確認できている。

止まりそうにないインフレだがその反面賃金はそれに見合う上昇はしていない。 実際、消費者物価上昇率を引いた実質賃金上昇率は7月で前年同月比-2.5%となり16ケ月連続のマイナスである。 また、ここにきて下落幅も拡大してきている。このままではスタグフレーション(景気低迷時の物価上昇)に陥る可能性もある。
免税事業者は課税事業者を相手にした取引でインボイスを発行できない場合、仕入税額控除ができない分が取引相手の負担になる可能性がある。これにより課税事業者からの取引の恐れがあるとして免税事業者は課税事業者登録をせざるを得ない状況になっている。

編集後記

5月に続きまたもや米国で政府機関の閉鎖懸念。もう年間行事的な感覚から株価にはさほど反応していないが、事態が長引けば格付け機関の格下げでショック安の可能性がある。何れ予算案が成立するのだろうが自滅的な米国政府の動きが何れ大変な事態になる可能性もある。日本にしては事態の流れを見守るしかないのだが・・・

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