株式市場新聞WEB版2023年6月26日号

2023/6/26月曜日

需給悪懸念の6月最終週

先週の東京市場は19日の前場に日経平均が3万3772円89銭の高値を付けたあとは値の荒い展開となり、週末23日には前日比483円34銭安の3万2781円54銭と6月13日以来の3万3000円割れとなった。

20日に中国人民銀行が政策金利を引き下げたことを受けて中国での景気悪化懸念が台頭、21日のパウエルFRB議長の議会証言で年内2回の利上げが有力になったことがリスク回避を強めたとされているが、多くの投資家が高値警戒感を強めていた局面での売り材料にされたに過ぎない。

6月22日には半導体関連株が大幅安となった。日経平均寄与度の高いアドバンテストや東京エレクトロンが急落し、ソシオネクストがストップ安となった。ソシオネクストは4月の安値から株価が3倍にもなった。短期間でこれだけ急騰すれば下がり方も激しくなる。ただ、日本株の上昇が際立っていたのは半導体株が相場をリードしていたからだ。

さて、ここまで新興国株フィリピン株の魅力について全8回にわたってお伝えしてまいりましたが、いかがだったでしょうか?
本日は総論として、今までの内容をまとめさせていただきます。

22日の引け後の発表された6月12日~16日の投資部門別売買状況で、海外勢が先物を6572億円売り越していたことが分かり、警戒感が広がったということです。やはり、5日線が下向きに転じたことで、日本株の上昇基調が変調をきたしていたということでしょう。

前週の東京市場は11週ぶりに反落しました。日経平均は前の週から924円下落しています。週初に高値警戒感から利益確定売りで大幅に下落したあとは、円安を支えに押し目買いが入り週半ばまでは底堅く推移していましたが、週後半は値を崩しました。パウエルFRB議長が議会証言で追加利上げを改めて強調、各国中央銀行が相次いで利上げに踏み切ったことが世界的リセッション懸念を強めています。相場のけん引役だった半導体関連に続いて週末には大手商社株も急落しており、新興グロース株にも直近人気を集め高値圏にあった銘柄の下落が目立ちました。

チャートから読む騰落銘柄

ダイセキ(9793)

バリューHR(1395)

持続可能な航空燃料「SAF」の連続買いで6月2日安値3495円を底に上昇するも5月17日高値4255円接手前で上値を抑えられる。6月30日の第2四半期決算発表までは様子見の展開か。

1月31日に1754円の年初来高値を付けて以降、下げ止まる気配なく長期的な下落基調が継続。1月10日の安値1395円を下回ったことで次は22年7月4日の安値1286円が意識される。

 動意銘柄

アイパートナ
がS高

アイ・パートナーズフィナンシャル<7345>がストップ高カイ気配。22日の取引終了後、子会社化のAIPコンサルタンツがトリニティ・テクノロジー(東京都港区)と業務委託契約を締結し、「スマート家族信託」の取り扱いを開始したと発表した。「スマート家族信託」は、認知症による資産凍結問題を解決するため、家族信託を全国に正しく普及させるサービス。

ネクストジェン
がS高

ネクストジェン<3842>がストップ高買い気配。22日、エクシオグループ<1951>子会社のエクシオ・デジタルソリューションズと協業し、同社のクラウド型プラットフォーム「ServiceNow」に音声DXを連携した電話応対業務の自動化ソリューションを発表した。導入企業のDX推進・業務効率化を加速するとともに、CSM市場でのシェア獲得を目指すとしており、サービスの利用拡大と収益貢献を期待した顔和詰めた。

リバーエレ
が急伸

リバーエレテック<6666>が急伸。同社は22日の取引終了後、自己株式取得枠の設定を発表した。上限40万株(発行済株式総数に対する割合4.63%)または2億8000万円で取得期間は6月23日~12月22日。株主還元の充実と資本効率の向上により更なる企業価値向上を図るため。

クボテック
がS高

クボテック<7709>がストップ高カイ気配。オーストリアのグラーツ工科大学などの研究グループが、円盤を回転させる「フライホイール」を利用したエネルギー貯蔵システムの試験機を開発したことを受けて、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構が以前手がけた次世代フライホイール蓄電システム実証試験施設でCFRP製フライホイールを製作している同社に連想買いが入っている。

東電HD
が高値

東京電力ホールディングス<9501>が大幅続伸、年初来高値を更新した。日本経済新聞電子版が柏崎刈羽原発の再稼働を巡り、原子力規制委員会は前日の会合で原発事業者としての同社の「適格性」を再確認することを決めたと報じたことがポジティブ視された。適格性の再確認はテロ対策の不備に関する追加検査と並行して実施する。22日の会合には規制委の山中伸介委員長の要望を受け、東電の小早川智明社長が出席、小早川氏は対策の不備解消への仕組みについて「7月中をメドに形をつくりたい」と明言したとしており、再稼働に向けて準備が進んでいると判断された。

イメージM
が一時S高

イメージ・マジック<7793>が22日後場急伸、一時ストップ高まで買われた。この日、協働ロボットアームのリーディングメーカー、CGXi社(中国江蘇省)と日本国内販売総代理店契約を結んだと発表したことを受け、早期収益貢献を期待した買いを集めた。オンデマンドプリント業界向けに低コストで導入容易な協働ロボットソリューションの開発と販売を開始するとしている。

先週の大幅下落で19日の高値(3万3772円)が当面の天井になった感じはする。
テクニカルでもパラボリックに売りシグナルを点灯、週足でも「かぶせ線」がでており相場の転換を示唆している。

端末のモデルチェンジはおおよそメーカーは1年に1回程度行うが、ミドルレンジと呼ばれる普及価格帯の機種は、SoCと呼ばれる半導体の心臓部に進化がなく、デザインやメモリ増量程度のリニューアルでほとんど進化がないそうだ。円安や半導体不足などに起因する原材料高騰が理由だそうで、採算悪化を理由に京セラなど今年に入って国内メーカーも相次いで撤退を表明した。

編集後記

連日高値を更新しているときは、高くて買えなかったが、いざ急落しても怖くて買えなくなるのが投資家心理。それらな最初から株式投資なんてやらなくていい理屈になるけど、運用と意味では簡単ではない。年間を通じて損を出すときもあれば損をするときもある。1年終わってみて少しでもプラスになるにはどこかで勇気も必要。一段の下落があれば勇気を出す局面だろう。

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