日経平均3万7000円台乗せ【転ばぬ先のテクニカル】

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続伸し34年ぶり3万7000円台

先週の東京株式市場は日経平均が続伸し、34年ぶりに3万7000円台に乗せました。日経平均の急騰はソフトバンクGの急騰による面が大きくなっています。理由は傘下のアーム・ホールディングスの好決算による株価急騰です。8日のNY市場で同社株は一時前日比60%もの暴騰となり、終値でも48%上げました。

アーム3兆円の買収が15兆円に

ソフトバンクGは2016年にアームを3兆円で買収しました。一時、エヌビディアへ4兆円強で売却する計画がありましたが、その後、撤回されて昨年9月にナスダックに上場しました。上場時の時価総額が11兆円。それが今や17兆円になったのです。上場時に保有株の10%を市場放出し現在は90%株主ですので、3兆円の買収が15兆円に化けた計算です。

一晩で持分は10兆円から15兆円に急増

それも昨日の50%近い急騰により、一晩でソフトバンクGの持分は10兆円から15兆円に急増した訳です。ソフトバンクGの時価総額は11兆8000億円程度ですので、ソフトバンクG自体よりアーム・ホールディングスのほうが価値が高くなりました。これはとても珍しい現象です。

日銀副総裁見解受け年内利上げ困難で円安進行

また、日銀の内田副総裁が8日に行われた金融経済懇談会の講演で「今後の経済・物価情勢次第となるが、どんどん利上げをしていくようなパスは考えにくく、緩和的な金融環境を維持していく」との見解を表明。市場参加者の間ではマイナス金利政策の解除後に利上げが行われるとの見方が浮上していましたが、内田副総裁の見解を受けて年内の利上げ実施は困難との見方が広がり、ドル円が149円台半ばへと円安が進行しました。このことも株式市場にとっては朗報となりました。

売りポジション慌てて買い戻す

このような2つの好材料がオプションSQ前日に伝わったことで、売りポジションを取っていた投資家が慌てて買い戻す動きとなりました。ただし、8日の急騰も9日の続伸でもプライム市場の騰落数は値下がり銘柄の方が多く、一握りの値嵩株によって指数だけが上げるような時は注意が必要となります。

日経平均EPS伸びれば上値余地広がる

今週で決算発表もほぼ出揃います。8日段階での日経平均EPSは2309円です。PERは3万7000円で16倍で昨年の上限近くになっています。今週、更にEPSが伸びるのであれば、上値余地は更に広がります。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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