金融政策不透明感払拭され急騰開始
先週の東京株式市場は反発しました。日経平均は3月7日以降の調整で25日線割れまで調整しましたが、日銀会合の内容が事前に報道されたことで不透明感が払拭され急騰を開始。会合結果は事前報道通りだったことに加え、植田総裁の記者会見では「緩和的な金融環境は継続する」と強調したことで円安が進行。米FOMCも事前の予想通りで、ドットチャートは年内3回の利下げと変わらず、事前に2回に変更かとの観測が浮上していたことから売り方の買戻しにより米主要3指数が史上最高値まで買われたことも支援材料となりました。
恐ろしいスピードで上昇
先週の日経平均株価は4連騰により週末22日には一時4万1000円台乗せまでありました。それにしても驚くべきスピードです。年明け、3万3193円でスタートした日経平均株価は3万4000円台乗せに4日間、その翌日に3万5000円台、そして、3万6000円台に7日間、3万7000円台に15日間、3万8000円台に2日間、3万9000円台に5日間、4万円台に6日間、更に4万1000円台に13日間といった具合で兎に角恐ろしいスピードで上昇してきました。
海外勢の売りを個人投資家拾う
一体、誰が買い上げているのでしょうか。22日の8時50分に財務省から先週の対内証券投資が発表されましたが、驚いたことに海外投資家が日本株の現物を1兆5000億円も売り越していたことが確認されました。そして、引け後に東証から投資部門別売買動向が発表されましたが、海外投資家は現物株を875億円、先物を5800億円売り越していました。では、誰が買い越していたのかというと個人投資家です。現物株を4942億円、先物を1458億円とトータル6400億円買い越しており、海外勢の売りを個人投資家が拾ったということになります。
強気目線だけでなく変化の兆しを探す
株価が高くなることは喜ばしい反面、高値追いして買っても大丈夫なのか、と躊躇している間に指数の大台替えが続き、乗り遅れたと感じる投資家も多いと思います。しかし、忘れてはいけないのは、マーケットは良い時ばかりではなく、必ず悪い場面にも遭遇するということ。毎日、株価を追い続けると忘れがちになってしまいますが、常に、強気目線だけでなく、変化の兆しを探しながら見ていかねばならないと思います。
素っ高値銘柄に付くのはリスク高い
現在、12カ月移動平均線との乖離率は21%と拡大。アベノミクス相場初期の2013年4月~5月に30%を超える異常値が出たことはありますが、通常は20%超えで調整局面入りするケースが多く、相場全体が循環物色しだしたとはいえ、素っ高値銘柄に付くのはリスクが高いと感じています。日経平均やTOPIXのPERが17倍台に達しました。平時であれば限界値に近付いているということです。
米国株大きく売られるなら日本株独歩高は無理
このようにお話すると、株式益利回りで考えると1÷17×100=5.9%で、日本の10年債利回りが0.74%なので断然、株は安いという答えが返ってきそうですが、日本株との連動性が高い米国市場では、S&P500のPERが22倍超。1÷22×100=4.51%と10年債利回りの4.26%とは0.25%しかなく、株価が史上最高値を更新し続けるには無理がある状況となっているのです。仮に米国株が大きく売られるなら、日本株が独歩高すると考えるのは無理があります。
何が起こるか分からないのが相場
そんなことを考えれば株に手を出せないということになってしまいますが、何が起こるか分からないのが相場です。大谷選手の通訳である水原氏がギャンブル依存症だなんて誰が想像したでしょう。借金の肩代わりにより大谷選手が最低1年間の出場停止になる可能性があるとかないとか。何が起こるか分からないとはこのことです。
日々勇太朗
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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