介入警戒感高まり配当落ち分以上の下落
本日の東京株式市場は大幅反落となりました。今日は3月期末配当の権利落ち日にあたり、日経平均には262円ほど、TOPIXでは25ポイント程度の下押し影響がありますが、昨日の夕刻に財務省、金融庁、日銀が国際金融資本市場に関する情報交換会合(3者会合)を開いたことで、介入警戒感が高まり、ドル円が40銭ほど円高・ドル安に振れたことで、輸出株などの株価の重しとなったことで配当落ち分以上の下落となっています。
海外投資家2週連続売り越し
8時50分に発表された対外及び対内証券売買契約などの状況(週間)によると、海外投資家は3月17~23日に国内株を8914億円売り越したことが分かりました。売り越しは2週連続で、このことも売り材料視されているものと思われます。
日銀会合出席者の「主な意見」
ところで、同時刻、先週の日銀会合の出席者の「主な意見」が公表されました。
・「物価安定の目標」の実現が見通せる状況に至った。大規模な金融緩和は役割を果たした。
・普通の金融緩和への移行は短期的なショックを起こさずに可能。
・今回の見直しは金融引き締めへのレジーム転換ではなく、あくまで「物価安定の目標」の実現に向けた取り組みの一環。
・賃上げを象徴的な変化として確認。市場に副作用を及ぼしてきた政策を見直し、市場が自律的に機能する局面へ転換が必要。
・マイナス金利を解除する場合でも、急速な利上げが必要な状況ではない。慎重な姿勢を強調することが必要。
・「仮にマイナス金利を解除しても、当面緩和的な金融環境が維持される」という理解が市場に浸透している。今回の措置で金融市場で大きな変動が起こる可能性は低い。
・予想を上回る春季労使交渉での賃上げ動向のほか、史上最高値を超える株価上昇も加わり、先行きに対する期待が高まっている。日本経済は歴史的な変曲点を迎えている可能性がある。
・連合の集計値は予想を上回った。本支店のヒアリング情報によれば、幅広い企業で賃上げが行われる見通しにある。
「円買い介入」あってもほんの一瞬
上述のように、今後の利上げについてペースや水準に触れた発言はなく、これが円売り材料視されたものと思われます。であれば、円安是正のための「円買い介入」があったとしても、ほんの一瞬のことだと思われます。
5日線を早期に回復できるか
さて、日経平均は594円安と配当取りで上げた昨日の倍近い下げとなりました。日経平均は5日線を下回り、5日線自体が下向きに転じてしまいました。明日以降早期に回復できるのかどうかに注目となります。回復できない場合は3月中旬のように25日線近辺への押し目が考えられます。現在、25日線は3万9630円近辺に走っており止まり目として意識されることでしょう。
日々勇太朗
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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