株式市場新聞WEB版2022年5月16日号

2022/5/16月曜日

見直せる好決算銘柄

主要企業の3月期決算発表がほぼ一巡した。23年3月期予想については、発表前はロシアのウクライナへの侵略などの影響が懸念され、控えめな内容を発表する企業が多くなると懸念されていた。しかしながら、ふたを開けてみれば原料高など不安要素があるものの、ポジティブな予想が多くなっている。好決算ながらもニューヨーク市場急落による地合い悪で正当に評価されなかった銘柄は地合い好転時には大きく見直される公算が高く、市場予想を上回った銘柄を中心にピックアップした。

株安も終わりの始まり【潮流】岡山 憲史

コロナ禍でインフレ傾向が強まる中、2月のロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻と3月の上海市の都市封鎖(ロックダウン)が重なり、さらにインフレ圧力が強まった。米連邦準備理事会(FRB)が景気後退を回避しつつ、インフレ抑制に成功する「ソフトランディング(軟着陸)」シナリオを巡って市場の見方は定まっていない。

トレンド転換に期待の週【転ばぬ先のテクニカル】
先週の東京株式市場は大幅反落となりました。NY主要3指数が連日の年初来安値を更新したことで、リスク回避の売りが持ち込まれました。NYダウは本年1月高値から三段下げに入っています。週足では7週連続の陰線形成となっており、八手九手がリズム的に生きるとすれば、今週の値動きは重要と言えそうです。

好業績・好取組銘柄を狙う【正直じいさんの株で大判小判】
前週の東京市場は2週ぶりに反落しましたが、当面の底入れ感が出てきました。週末は600円を超える上昇となり、週足は長い下ヒゲを引きました。一時3.2%近くまで上昇していた米10年債利回りが2.8%台まで低下するなど、米金利にピークアウト感が意識されたことで一旦アク抜けするかたちです。

今週の活躍期待銘柄

丸一鋼管

ダイヘン

丸一鋼管(5463)の株価は3月9日以来の安値となる2642円まで12日に売り込まれていたが、急速に戻す動き。
12日に発表した23年3月期は連結売上高で2792億円(前期比24.5%増)、営業利益で321億円(同11.5%減)と2ケタ増収ながら減益の見込み。コイル価格はウクライナ侵攻の影響による世界的な上昇基調から、調達価格の値上がりが見込まれているためだが、製品価格の転嫁を進めていく予定で、過度な不安はない。北米では需要拡大の続く半導体製造装置向けBA管を、日本からの供給増に加え、現地生産の可能性を検討していることも注目。

ダイヘン(6622)の株価は4月27日に3530円の安値を付けた後に底這いとなっていたが、50日線を一気に回復する動き。
12日に発表した23年3月期は連結売上高で1800億円(前期比12.1%増)、営業利益で165億円(同16.3%増)と2ケタ増収増益を計画している。半導体関連機器では情報通信技術の普及に伴い5G、IoT、AIなど幅広い用途で半導体の需要が急拡大したことに加え、世界的な半導体不足の解消に向けた積極的な設備投資が高水準で継続しており、予想EPS489。07円からPER8.1倍の時価は割安感強い。

5月第2週の動意銘柄

日揮HD
がストップ高

三井物産<8031>日揮ホールディングス<1963>がストップ高。同社は12日の取引終了後、23年3月期の業績予想を発表、連結売上高で6000億円(前期比40.1%増)、営業利益で260億円(同25.7%増)と大幅な増収増益を見込んでいることが好感された。既存製油所の保全工事、ヘルスケア・ライフサイエンス、及び水素をはじめとする脱炭素関連分野での顧客の設備投資が期待される。

日製鋼が続騰

日本製鋼所<5631>が続騰。同社は11日の取引終了後、23年3月期の業績予想を発表、連結売上高で2660億円(前期比24.4%増)、営業利益で215億円(同39.1%増)と大幅な増収増益を見込んでいることから、検査不正から売り込まれた株価には値ごろ感から買戻しの買いが入っている。

ファイズ
今期56%営業増益

ファイズホールディングス<9325>がストップ高。10日取引終了後に発表した23年3月期の連結業績で、営業利益9億円(前期比56.4%増)と大幅増益を見込んだことを好感した買いを集めた。EC向け物流センター運営受託を主軸にメーカーや流通業などの新規開拓に注力、物流DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みにより流効率化や業務簡素化につながる次世代型物流情報システムを構築することで収益性を高める。

日立造船
脱炭素が増加

日立造船<7004>がストップ高。同社は11日の取引終了後、23年3月期の業績予想を発表、連結営業利益で200億円(前期比28.7%増)と大幅増益を見込んでいることが好感された。売電事業で減少を見込むも脱炭素化事業で増加を見込んでいる。

OATアグリオ
が急伸

同社は11日の取引終了後、22年12月期の業績予想の修正を発表、連結売上高で232億6300万円から247億円(前期比8.9%増)へ、営業利益で21億5500万円から25億900万円(同25.4%増)へ上方修正した。国内市場では注力しているグリーンプロダクツの殺ダニ剤「アカリタッチ」「サフオイル」、殺菌剤「カリグリーン」が好調に推移している。

メック
ハイエンドの需要増加

メック<4971>が続伸。同社は10日の取引終了後、22年12月期の業績予想の修正を発表、連結売上高で165億円から166億5000万円(前の期比10.7%増)へ、営業利益で40億円から42億円(同6.6%増)へ上方修正した。データセンター用サーバー向け等のハイエンドパッケージ基板の需要により、関連する製品が堅調に推移している。

予想PER12倍の法則【225先物「ハチロク」の裏話】金融引き締めの本格化に向けて世界の株式市場から資金が流出している。米国市場では「落ちてくるナイフは素手で掴むな」状態である。だが、最近の日本株は米国株の下落に比べ底堅い動きとなっている。それは日米主要指数指数の予想PERの違いだとみる向きがある。

引き続き内需系銘柄の選別買い【高野恭壽の株式情報これでどゃ!!】これら値カサ系やハイテク系が大きく日経平均の大きな下落に拍車をかけたのですが、その他の銘柄は下落しても限定的でした。

得意分野を極める【星野三太郎の株街往来】
週末のニューヨークの動きをみてるかぎりようやく下げ止まり感がでてきたようだ。下落基調のときはカラ売り、225先物オプションなら・・・

ハイテク中心に買い戻し継続【記者の視点】

5月第2週の東京市場は12日に日経平均で2万5688円11銭まで売られる場面がったが、週末には678円93銭高の2万6427円93銭と大幅に戻して引けている。
週末のニューヨーク市場はダウで1。47%上昇の466ドル高、ナスダックは3.82%高、S&P500は2.39%の大幅上昇となっている。これと連動して225先物のナイトセッションも2万6610円で引けており、IT関連銘柄の構成比率が高いナスダックの動きを受けて週明けの東京市場はハイテク銘柄を中心に続伸でのスタートとなりそうだ

編集後記

今月は決算発表に出かけることが多かったが、どの企業もウクライナ情勢や中国のロックダウンで先が読めないと語っていた。それゆえに今期予想については控え目な企業が多い。世界経済がさほど悪くなければ上方修正に進む企業が多くなるかも知れない。

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