株式市場新聞WEB版2022年12月19日号

新聞|証券市場新聞

2022/12/19月曜日

波乱はどこで鎮まる?

 12月第3週の東京市場は、FOMC発表後の翌日から大きく値を崩す展開になり、16日に日経平均は524円58銭安の2万7527円12銭で引けている。
 マーケットコンセント通り、FOMCでの利上げ幅は 0.5%と前回会合の0.75%から減速したものの、ドットチャートで、FFレートの23年末中央値が5.1%と従来の 4.6%から引き上げられたことに加えて、米国の11月小売売売上高が市場予想を下回ったことや、ECB理事会のタカ派ガイダンスが、景気減速懸念を強めたことで下げに拍車がかかった。週末はクワドルブル・ウィッチング(株価指数先物取引、株価指数オプション取引、個別株先物取引、個別株オプション取引の期限を迎える日)を迎えていたことも需給面で逆風になっていたと思われる。

米国市場は先週末、クワドルブル・ウィッチング(株価指数先物取引、株価指数オプション取引、個別株先物取引、個別株オプション取引の期限を迎える日)を迎え今週からは相場が軽くなる。
更にクリスマス休暇に入り投資家も多く参加者は減少するであろう。そうなれば仕掛け的な動きもやりやすくなるのでボラティリティは高くなると思われる。

 今の株式市場はインフレと景気後退(リセッション)という懸念が払拭されないことで不透明感が強まっているが、来年にはインフレと景気後退リスクが徐々に収まるだろう。その間は投機筋(CTAやヘッジファンド)による先物主導の乱高下は続くことになる。

一目均衡表でも転換線、基準線を一気に下回り、遅行スパンが日々線に接近。今週には転換線と基準線のデッドクロスが示現すると思われ、まずは75日線の走る3万1885ドル近辺を試す展開が予測されます

週明けも米景気動向を巡って神経質な展開が予想されますが、日経平均は26週線線レベルで踏みとどまっており、その下には13週線、52週線などの下値抵抗ゾーンがあります。ビッグイベントを通過し週明けからは・・・

今週の活躍期待銘柄

大栄環境

レーザーテック

大栄環境(9336)は今冬IPOで唯一のプライム直接上場で、需給面での不安が囁かれていたが、14日の上場初日は公開価格1350円を26.7%上回る1710円で初値が生まれ、16日は1989円の高値を付けている。同社は一般・産業廃棄物の収集運搬、中間処理・再資源化及び最終処分を中心とする環境関連事業及び有価資源リサイクル事業を行っている。単純比較はできないがダイセキ(9793)の4435円に比べて値ごろ感が高く、引き続き注目されることになりそうだ。

 レーザーテック(6920)は個人投資家にとっては観賞用の銘柄だろうが、同社株の値動きには注視しておきたい。株価は全般波乱となるなかで、米国での半導体関連売りに追随するかたちで、16日に6%近い急落となり、ハイテクでは東京エレクトロンを抑えて一番の悪役になった。既に25日線を割り込み今週もヘッジ売りのターゲットになりそう。この先は50日線で2万2931.6円が意識されるが、同社株の下げ止まりがあればマーケット全般的に明るさを与えることになる。

  動意銘柄

Gunosy
がS高

Gunosy<6047>が16日ストップ高。インドの持株会社であるGaragePreneurs Internet(ガレージプレナーズ社)が展開する金融サービス「slice」が、プリペイド型の支払い手段(PPI)に関するライセンスをインド準備銀行から取得したことが報じられたことが材料視された。「slice」は現地の若者向けで利用が多い。

パーク24
が新値

パーク24<4666>が16日に続騰、年初来高値を更新した。15日引け後に発表した22年10月期の連結決算は、営業損益206億7200万円の黒字(前の期80億3900万円の赤字)に浮上、従来予想の180億円の黒字を上回り、23年10月期は270億円(前期比30.6%増)と過去最高益を更新を見込んだことが好感された。コロナ禍で落ち込んだ駐車場需要が回復、カーシェアやレンタカーも堅調に推移している。

ブラス
がS高

ブラス<2424>が15日にストップ高。同社は14日の取引終了後、23年7月期の第1四半期(8~10月)決算を発表、連結営業利益で4億8000万円と通期予想の11億1500万円に対する進捗率が43%であることが好感された。市場環境の正常化が進む中、挙式・披露宴実施組数は861組となっている。

東芝
が続伸

東芝<6502>が16日に続伸。日本経済新聞電子版が「東芝の再編を巡り、三井住友銀行やみずほ銀行が日本産業パートナーズ(JIP)の買収提案に対して総額1兆2000億円規模の融資をする方針であることがわかった」と報じたことが買い手掛かりになった。JIP案には国内企業が1兆円規模の出資をすることを決めており、融資の大枠にめどがたったことで非公開化へ前進するとしており、改めて買収プレミアムが期待された。

FIXER
が急伸

FIXER<5129>が16日に急伸。同社は15日の取引終了後、23年8月期の業績予想の修正を発表、売上高で77億1800万円から121億3200万円(前期比6.8%増)へ、営業利益で14億1500万円から18億6300万円(同22.2%減)へ上方修正した。保守的に計画していた、複数の案件において足元の実績が想定を上回っている。

Pアンチ
がS安

 プレミアアンチエイジング<4934>が15日にストップ安売り気配。14日の取引終了後、23年7月期の連結業績予想を大幅に下方修正したことを嫌気した売りが殺到した。通期について売上高を370億円から300億円(前期比11.5%減)、営業利益を30億円から15億円(同37.9%減)へ。クレンジング市場とバーム剤型の競争が予想以上に激化、安価な類似商品へ転出する動きもあり、通信販売、卸売販売ともに減少している。

三菱重工が6月高値の5672円を抜いて5687円の高値をつけました。防衛予算がたばこ、復興資金、法人の税で賄うことがほぼ決定して防衛予算の拡大が確実になり急伸したのでした。これによって一貫して上げていた同社株は目先的に材料出尽くしとなります。

1年が経つのは早いもので、あっという間に大納会が迫ってきた。 日経平均での大発会の寄り値が2万9098円41銭だから、現状で1000円以上も下の現値を考慮すれば、大半の投資家は1年保有すれば含み損がでている計算になる。

編集後記

 正月に向けて支出が増えることから年末にひと稼ぎを期待した投資家が多かった思うが、週末の急落からその目論見が崩れたと思う方が多かったとは思う。個別ではストップ高や急伸しているとはいえ、ニューヨークダウや日経平均が下落では動き難いのは投資家心理。目論見が外れても新年も相場は続く、急がずタイミングを待つだけだ。

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