株式市場新聞WEB版2023年10月16日号

新聞|証券市場新聞

2023/10/16月曜日

再び調整局面か?

10月4日に一時、3万487円67銭まで急落していた日経平均は12日に3万2500円近くまで急速に戻したが、SQ日である週末は4日ぶりに続落となり3万2315円99銭で引けていた。短期間でほぼ2000円程度戻したが、SQに向けた買い戻しも一巡したことで週明けの東京市場は調整色の強い展開となりそうだ。

イスラエルとイスラム組織ハマスの軍事衝突ではイスラエル軍地上部隊がガザの一部を襲撃したことで地上戦への突入が地政学リスクの高まりとして意識されている。

9月15日からの下落幅3147円(9.3%)の半値戻しを一気に達成した。今回の上昇の背景は米国金利上昇に天井感が出たからだ。米国の株式市場はインフレが沈静化せず、利上げ懸念が付きまとっていた。米ダウ平均は8月1日の高値(3万5679ドル)から10月6日の安値(3万2846ドル)まで2833ドル(7.9%)の調整が続いていた。それが、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めに積極的なタカ派姿勢に転換の兆しが見えてきたのだ。

日経平均の週足は5週線、13週線を回復。日足は5日線、25日線を回復し、崩れたチャートを修復する動きとなりました。また、MACDがゴールデンクロスしてきたため、今回の調整下落が一旦終了したことが伺えます。今後は押し目買い局面に移ることになります。

前の週の安値から2000円幅で戻し、SQに向けた買戻しが一巡したことから、週明けは下値は堅いものの上値も重そうです。17日に米9月小売売上高の発表を控えているほか、FRB高官の発言機会が多く、米長期金利に敏感に反応する状況には変わりはなさそう。

チャートから読む騰落銘柄

HIOKI(6866)

任天堂(7974)

10月4日に6960円の年初来安値更新後に25日線抜けの7340円まで戻すも上値重い。16日発表予定の24年12月期第3四半期決算確認で明確な底打ちに期待。

25日線と50日線を抜けて10月12日に6384円まで上昇したが7月や9月高値の6400円台を抜け切れず失速。10月4日安値6053円まで押し返される可能性も。

 動意銘柄

古野電
が高値

古野電気<6814>が大幅続伸、年初来高値を更新した。前日取引終了後、集計中の24年2月期第2四半期累計の連結業績について、営業利益を20億円から37億円(前期比4.6倍)へ大幅に上方修正したことが好感された。生産効率の改善や生産量増加による稼働率の向上、コスト上昇分の価格転嫁に円安効果も加わり収益性が大きく改善している。

キャスター
がS高

キャスター<9331>がストップ高。同社は12日の取引終了後、23年8月期決算を発表、営業利益で200万円(前の期比1億6200万円の赤字)と黒字化となり、24年8月期も1億1100万円を見込むことが材料視された。

コスモス薬
が急落

コスモス薬品<3349>が12日に急落。同社は11日の取引終了後、24年5月期の第1四半期(6~8月)決算を発表、連結営業利益で前年同期比1.0%増の89億9000万円と小幅な増益に留まることを嫌気した。生活必需品の価格など、家計に直結する生活コストが昨年来急激に上昇しており、消費者の節約志向はより一層高まっている。

ファストリ
が大幅続伸

ファーストリテイリング<9983>は大幅続伸。12日取引終了後に発表した23年8月期の連結決算は、営業利益3810億9000万円(前の期比28.2%増)で着地、24年8月期も4050億円(前期比18.1%増)と2ケタ増益で連続最高益更新を見込み、前期の年間配当を10円引上げ290円(前の期206円67銭)、今期も330円への増配を計画したことが好感された。海外事業が大幅増収増益になり全社収益を牽引、国内もユニクロ事業やジーユー事業が堅調に推移する見込み。

竹内製が
6連騰

竹内製作所<6432>が6日続伸。同社は12日の取引終了後、24年2月期の業績予想の修正を発表、連結売上高で1890億円から2050億円(前期比14.5%増)へ、営業利益で240億円から331億円(同56.0%増)へ上方修正した。北米、欧州ともに、製品需要は好調を維持しており、上期の販売台数は前回発表予想での想定を上回っている。

出光興産
が急伸

出光興産<5019>が12日後場急伸。同社はこの日11時30分にトヨタ自動車<7203>とバッテリーEV(BEV)用の有力な次世代電池である全固体電池の量産化に向けて、固体電解質の量産技術開発や生産性向上、サプライチェーン構築に両社で取り組むことを発表した。全固体電池の材料開発等で世界をリードする両社が連携することで、2027~28 年の全固体電池実用化を目指す。

先週の日経平均は前週末比約1321円高と4週ぶりの週足陽線となった。
米国金利の上昇を懸念して下落していた株式市場であったが金利の上昇が止まると株式市場も反転、上昇に転じた。
また、景気後退が懸念される中国で国債を1兆元追加発行して経済対策を行う可能性が伝えられたことも好感された。
ただ、国内市場においては10月SQ週であったためコールの買戻しを誘発させる「買戻し相場」であった感じは否めない。

ハイテク系は米国の国債金利の上昇でこれまで上値を抑えられて10月はじめの大幅安局面で下落が目立っていましたが、先週末から今週にかけて国債金利の低下がみられ、その間隙を縫って大きく反発したとみられます。

筆者の知人でも別のオンライン証券からこの2社へ口座を移管したという友人もいたので、無料化への反響は上々だとは思う。ただ、特に短期売買になるとそのときの株式市場の地合いにも左右される。

編集後記

日経平均は3万円割れを回避し、そこから2000円幅を短期間で戻したが、今週のコラムニストの意見を総合するとSQに絡む買い戻しが絡んでいた可能性が高そうだ。イスラエルとハマスに絡む中東情勢悪化や米国下院での共和党の迷走など不安材料は山積だ。それらを考慮しても株価が3万2000円を超えて戻したことも事実。急落が再びあれば買いの好機があるのは間違いない。

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