23000円台に向けて戻していく【高野恭壽の相場指南】

高野恭壽|高さん 証券市場新聞
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23000円台に向けて戻していく【高野恭壽の相場指南】

2月2日に始まった米国株式の急落に引きずられて日本株はここしばらく経験のない大幅安に見舞われました。23000円台がアッという間に21000円を一時割り込みました。この急激な下げでほとんどの銘柄は買い値からはしごを外された形になり、降りるに降りれない状況に追い込まれました。原因は米国国債金利が1月の雇用統計の好調さで急伸したためでした。今後も金利の上昇圧力で米国株式は下げ圧力がかかると一気に悲観的な見通しが台頭するようになりました。日経平均の下げはこの影響に加えて、急速に円高に傾向き下げに拍車をかけたのです。2016年11月から始まった上昇相場ですが、米国株式はこれまで深押しらしい下げもなく、1月の26616円の高値まで一方的に上昇してきました。この間48%の上昇率でした。それに対して日経平均は11月安値から1月高値まで21%上げた後は9月初めまで19500円中心に上下150円でのもみあいが続き、米国はじめ世界の株高の中で置いてきぼりをくらいました。その理由は北朝鮮のミサイル発射実験による地政学的リスクを背負い続けたためでした。しかし、9月初めに北朝鮮の追加制裁が国連で満場一致で決められたことをキッカケに一気に上げ相場に突入し1月高値まで23%高となり、世界の株高にようやく追いついたのでした。2016年11月の安値からでは49%高になり、米国株式の上げ率と並んだことになります。
 つまり、下げらしい下げがなく上げ続けたことで米国株式はすでに割り高で過熱感に警戒する見方が広がりいつ大きな反落場面があってもおかしくない状況にありました。その点、日経平均は一昨年暮れに急伸後、昨年8月まで調整場面が続き、9-10月の短期の上げ場面でも過熱感はなく、一部の銘柄に割り高感が指摘されただけで全体的には警戒感よりも先高感の見方が多いというように日米の株価の見方はそれぞれ異なっていました。
 いつ崩れてもおかしくない時に1月の米国雇用統計が2月2日に発表されました。予想以上の増加となって金利が一気に上昇したため、それが引き金となって米国株式が急落し、その後も相次いでろうばい売りが追い打ちをかけて短期で13%の下げにつながったわけです。日経平均は1月10日から円相場がムニューシン財務長官の「ドル安が好ましい」との発言や日銀が超長期国債の減額を決めて、これを緩和策の出口の前触れと外国人投資家が判断し113円が110円まで円高に振れました。その動きで24000円台に乗せた日経平均はジリジリと下げに転じて1月末には23000円割れ寸前まで下落をしていました。すでに低迷相場にあったところへ米国の急落が伝わり、一挙に21000円を割るところまで下落してしまったのでした。当然のこの下落をみて一層円高が進み、ついに、昨年9月の107円を割ってしまいました。
 このような動きをみて断言できることは米国株式はとくに金利上昇によって下げたのではなく、強い高値警戒感でいつ崩れてもおかしくない状況の中でたまたま金利の上昇になり、それが引き金になったのですが、引き金になる材料は他のことでも同じ急落につながったでしょう。例えば、米国内のどこかでテロでも起きればそれが下げの材料になったでしょう。金利の引き上げが原因というならばすでに米国の金利の上げ基調は昨年来から続いていました。そんな時でも一向に株価は下げる気配がなかったのです。もしも、金利が原因ならば13日にCPIの結果をみて金利は更に上げた際に下げなければ説明がつきません。結果、米国株式は4連騰したのです。米国株式は景気の堅調さを材料にして引き続き上げていくものと思われます。金利上げ基調は株価は容認していますので、極端な上げ方がない限り金利の上げは大きな下げを材料にはならないと思われます。当面は過熱感を払しょくして25000㌦固めとなるでしょうが、恐らく、米国株式は3月には26000㌦台に再び、乗せていくことになるでしょう。
 こうした米国の動きをみて日経平均も堅調さを取り戻し23000円台に向けて戻していくと考えるのが自然な見方になるでしょう。




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